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シューマンの歌曲集Liederkreis(リーダークライス)はop.24とop.39の2曲があり、ともに1840年に作曲されました。シューマンは この年まで、ほとんど歌曲は作曲していませんでしたが、この年に200数十曲の全歌曲のうち半数以上を作曲しました。苦難の末、この年にクララと結婚する ことになるのですが、このことと、それまでほとんどピアノ曲ばかり書いていたシューマンが、急にこれほどの濃密な歌曲作曲の時を過ごしたのはとても密接に 関係があります。とりわけあふれる思いを表現するのに、詩が必要だったのでしょう。
アイヒェンドルフの詩によるこの歌曲集の詩の選択は、シューマン自身によるものではなく、クララがアイヒェンドルフの様々な作品からシューマンに書き写して送ったものでした。そのため同じシューマンの「詩人の恋」とは違って一貫したストーリーはありません。
曲の順序に関してはクララの送った順番ではなく、後にシューマンが並び替えたものです。
演奏会でとても良く取り上げられる作品で、録音もたくさんあります。家にあるものだけでも、21種類ありました。次回から1曲ずつ曲の内容や、演奏法等をまとめてみようと思います。ぜひ楽譜を見ながら読んでみて下さい。
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