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耳を育てる 音楽について 17

耳が良いということ

 音楽家にとって大切なものは色々ありますが、その中で最も大切なものは耳です。耳が良いというと、絶対音感が考えられるかもしれませんが、これは重要な要素ではありません。

4つの耳の良い状態

 耳の良さについて以下の事が考えてみます。

  • たくさんの声部を聞き分けられること。(演奏しながらでも聞き分けられること)
  • 音程だけでなく音質等、様々な音の性質が分かる。
  • すべての音が音楽的であるかや、表現に合った音であるかが分かる。
  • 様々な音の要素の記憶ができる。  

1音楽はどんなジャンルであっても大抵いくつかの声部からできています。歌曲の場合は歌のパートとピアノのパート、歌は単旋律ですが、ピアノはもっと複雑で、単純なものでもベースと和音の分散されたもの、複雑なものはさらにそこにいくつかの声部が隠されていることもあります。これらを別々に感じていきたいという事です。 

2歌のパートのように単旋律であっても、音程だけではなく、音質や音量が多彩に変化していきます。発声の観点から見ると、声の通り道が見えると声帯の状態が分かります。音の芯の部分を聞くときと、響きを聞くときも違ったものを聞き取れます。

3前述のような音のすべての要素を聞き分け、さらにその音が音楽と結びついているのかを聞き分けられる必要があります。もちろん音楽が分かっていないとできませんが、コンクールの審査をするときなどはこれらのことがしっかりできていないと、片寄った審査になってしまいます。とても大変な仕事です。

4最後に記憶です。少なからず音楽は音の記憶の上に成り立っています。練習においてはさっきの音と今の音を比較して、その違いを聞き分けること無しには進んでいきません。これはなかなか難しいことで、しっかりと音を聞けることで、音は記憶されていきます。結局練習がうまく行くときと行かないときの一番の違いは音が聞き分けられるかどうかに寄るのかもしれません。

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