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ピアノのふたを少ししか開けなかった理由|声楽伴奏について

グランドピアノのふた

通常グランドピアノのふたは2~3段階で開けることが出来ます。

保管庫に収納している間や移動の時は完全に閉じて

ピアノのコンサートの時は全開にします。

声楽のコンサートはオーケストラをバックにということもありますが、

一番多いのはピアノと歌のみの編成での演奏です。

その時にふたを完全に閉じることはほぼありませんが、

少しだけ開けることも全開にすることもあります。

場合によっては5cmくらいの積み木を持ってきてほんの少しだけ開けることもあります。

どのくらい開けるのか

以前はピアノのふたはほんの少ししか開けない方が主流でした。

しかし最近はほぼすべてのコンサートで全開にされています。今回はこの変化について書いてみます。

まずはピアノの音としてはどちらが良いかというと、当然全開の方が良い音になります。

ふたを半開にしたピアノのコンサートはありませんが、

もしあったとしても渋くて良い演奏だったとはならずに、

何か物足りない演奏になると思います。

ピアノのふたは堅い材質で出来ており、弦から生まれた音はピアノのふたで反射され、

客席に届いていきますが、ふたをほんの少ししか開けないとそれが半減されてしまうことになります。

なぜ昔はふたをほんの少ししか開けなかったのか

ピアノの音質が悪くなるにもかかわらず以前は少ししかふたを開けなかったのは、

歌を目立たせるためです。

歌が主役であり、ピアノはそれを陰から支える存在だとしたら、

ピアノは良い音ではない方が都合が良い事になります。

絵を描くときにメインのものはクリアに書きますが、

背景は少しぼかして描かれたりすることと同じ効果です。

背景がぼかされることにより、メインのものはより鮮やかに感じられるのです。

伴奏をするピアニストにもこのことは要求されます。

ピアニストはノーミスで安定して弾けるテクニックがあり、

音楽を理解して多彩な表現が出来れば十分なはずですが、

伴奏の時は小さい音で弾けることも大切になります。

フォルテで弾くのも大変なテクニックですが、ピアノで弾くのも相当なテクニックです。

とにかくこの小さな音、歌を邪魔しない音のためにふたはほんの少ししか開けないことが多かったようです。

最近のコンサートでは

最近のコンサートでピアノのふたを少ししか開けない演奏会はほぼ見当たらなくなりました。

この理由は二つあります。

一つは先ほどと正反対のことです。

昔はピアノはメインである歌を目立たせるためにできるだけ控えめである必要があったので、

ふたも数センチしか開けていませんでしたが、

最近は歌とピアノは同じ割合で音楽を作っている。

主従関係ではないという風に変わってきたからです。

共同で一つの音楽を作り上げるということです。

これとともにピアノ伴奏者の地位も上がってきました。

これはとても重要なことです。

もう一つはピアノの音はふたを全開にした方が良い音になるということです。

音そのものの良さもあるし、表情も多彩に変化させられます。

ピアノソロのリサイタルでは必ずふたを全開にするのもこのためです。

ピアノの一番左に弱音ペダルがあります。

ピアノはすべての音に弦が3本ずつ張られていますが、

左のペダルを踏むと鍵盤がスライドして、2本だけ叩くようになります。

これがちょうどふたを少ししか開けないときに似た効果があります。

ややぼやけた地味な響きになります。

ただもちろん歌が聞こえないくらいピアノが強く出てきてしまっては困るので、

ピアノ(弱音)で演奏できるテクニックはさらに必要になります。

発表会で

余談ですが、20年くらい前でしょうか、

発表会で二十数人の出演者が歌う演奏会の時、

まだその頃は主流では無かったのですが、ピアノのふたを全開にして演奏をしていました。

休憩時間に私は出演者や聴きに来てくださったお客様とギリギリまで話をしていて、

次の部が始まる直前にまた客席について、次の演奏を聴いていたのですが、何か響きが違う。

少しして気付いたのですが、ピアノのふたが閉じられていたのです。

後で分かったのですが、お客様の一人がふたを閉じてしまったようです。

その当時歌の演奏会でピアノのふたを全開にするのは少数派でした。

ふたを閉じてしまった方は歌のコンサートでふたが全開になっている演奏を聴いたことが無いようで、

私が歌の演奏会ではピアノのふたは閉じるものだということを知らないか、

閉じ忘れだろうと思い、善意でふたを閉じてくださったようです。

本来はこのようなときには主催者にひと声かけるべきなのですが、

忙しそうにしていたので、ご自身の判断でされたようです。

自分の常識を過信してはいけないという一例でした。

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