レッスンの詳細はこちらからどうぞ

Intermezzo(間奏曲)~シューマン 3

Intermezzo

Dein Bildnis wunderselig
Hab ich im Herzensgrund,
Das sieht so frisch und fröhlich
Mich an zu jeder Stund’.

Mein Herz still in sich singet
Ein altes schönes Lied,
Das in die Luft sich schwinget
Und zu dir eilig zieht.




間奏曲

あなたの至福に満ちた顔を
心の奥にいだくと
それはすがすがしく、楽しげに
いつも私を見つめている


私が心の中で静かに
古い美しい歌を歌うと
それは大空を飛び
あなたのもとへ急ぐ

愛にあふれる曲

 この曲はシューマンのクララへの思いが、そのまま音楽になったような作品です。最愛の人に会えない時のもどかしさがこの歌に込められています。
 1曲目の孤独の歌とは対照的な内容です。この曲集にはストーリーはないのですが、仮の死を遂げ、孤独な森の歌を聴いた彼だからこその出会いだったようにも思われます。

シンコペーションが全体を作る

  この曲は、1曲目「異郷にて」(嬰ヘ短調)の平行調(同じ調号)である、イ長調です。またほとんど全体のピアノのリズムがシンコペーションで書かれており、1曲目とは 対照的な印象を受けます。あふれる想いがこのシンコペーションの形になったのでしょう。シンコペーションによって、震える心臓の鼓動や、地に足の付かない 浮き立つような気持ちを感じます。
 始まりは1拍目の音がなく、主和音ではありますが、転回形であるために、とても不安定です。慣れないとピアノとの合わせも難しいところです。さらに歌の最初の音は前の曲の最高音と同じ音で始まりますので、衝撃的なことが起こったということが想像できるでしょう。
 7小節目から属調のホ長調に転調します。熱い想いの曲ですので属調転調は当然の方向でしょう。

音楽の緊張、アチェレランドと転調

 しかし、10小節目からまた様子が変わってきます。nach und nach schneller 少しずつ速くという指示もあり、さらに音楽はエスカレートしていきま す。転調も細かくなり、「私が心の中で静かに歌う」の歌詞の所ではもとの調から考えると下属調の平行調、ロ短調になり、心の中に注目されます。「古い美し い歌」ではロ短調の平行調、ニ長調になり、楽しい歌が想像できます。また「美しい」という言葉にターンが付いて、強調されます。その後は最初の調の平行調、嬰ヘ短調になります。会えないもどかしさが、愛の苦しみになっていくのでしょう。
 18小節目でまたもとの調のイ長調に戻ります。ピアノの左手にシンコペーションではないメロディーが出てきますので、最初 よりは安定感が増します。しかし、主和音で第7音が使われていて、何とも複雑な心の中を表しているようにも感じられます。24小節目にritard.が書 いてあります。普通この記号が出てくるとだんだん遅くするのですが、シューマンの場合だんだんではなく突然遅くする記号として使われます。そして普通はa tempoで戻すのですが、シューマンはこのような時にほとんどa tempoを書きません。音楽的に考えてどこで戻すのかを判断しなくてはなりません。
 この曲の場合、24小節のみを遅くして、25小節目からすぐにa tempoにすると良いでしょう。この24小節目のみ、シンコペーションがなくなります。「いつも」という言葉が時間を超えて感じられるようです。
 28小節目には拡大されていますが、最後までシンコペーションは続きます。

安定感を壊すクレッシェンドの連続

 シンコペーションだけではなく、この曲にはクレッシェンドが目立ちます。普通はクレッシェンドがあればデクレッシェンドがあってバランス良くなるのですが、クレッシェンドを重ねているところがたくさんあります。とにかく熱い想いにあふれた曲です。

声楽、発声レッスンの詳細はこちらです

お問い合わせはこちら