発声の理論で勘違いがたくさんあるのですが、
その理由を考えて書いてみようと思います。
倍音がたくさん含まれている声とあまり含まれていない声だと、
どちらが良い声だと思いますか?
と聞かれたときにたくさん含まれた声だと考える人は多いのではないかと思います。
そんなことはないのですが、
この理由を考えてみます。
倍音は基の音より高い音になりますので、
高い音が混ざった方が良い声だと思うかもしれません。
しかし、ここに一つ大きな勘違いがあって、
きれいな声と汚い声とでは汚い声の方がより多く高い音が混ざっています。
下にオシロスコープを使った波形の図を載せます。
まずは歌を歌うときの普通の声から。
上が波形で、下が周波数分布です。
単位はHz(ヘルツ)です。

1000Hz位の音も少し混ざっています。
波形は安定していますが、ややガタガタです。
次にファルセットです。

高い周波数の音は全く入っていません。
中心の音程が圧倒的に多く、
その右に少し出ている山が第1倍音、1オクターブ上の音です。
波形はとてもきれいな正弦波です。
余分な周波数がほとんど入っていない声です。
最後に歌にはならない、汚い声の波形です。

2000Hzを超える音も混ざってきます。
このように実験してみると面白い結果が出てきます。
高い周波数の音が混ざるほど汚くなりますし、
ファルセットは高い響きがたくさん入っていそうな音ですが、
ほとんど高い音は混ざっていません。
これだけの証拠があっても高い音が混ざった方がキレイな音だと主張する人も多そうですが、
実験の結果は明らかに逆です。
高い音が多いと汚くなります。
考えてみると汚い音がもし低い周波数の音だけだったら、
それほど耳障りな感じはしないかもしれません。
しかし、高い周波数がたくさん入っているとなると、
聞いていられなくなるというのは受け入れられるのではないでしょうか?
倍音が多く含まれる方が良い声というのは間違っているのですが、
この勘違いが大きく発声を壊していくわけではありません。
この3つの声の場合倍音がはっきり確認できるのは2番目のファルセットだけです。
その他の声は多くの周波数が混ざりすぎて、
どれが倍音だか分かりません。
そしてファルセットの倍音でも、
基の音に対してほんの少ししか出ていませんので、
よっぽど静かな部屋で、倍音にのみ集中しないと聞こえない、
もしくはそのように聞こうとしても聞き取れないかもしれません。
特に第1倍音は1オクターブ上ですので、
基の音と融合性が高く、
同じ音にしか聞こえないかもしれません。
このようなかすかな音なので、
倍音をもとに練習をすることは不可能なので、
害は全くありません。
ただ無駄な時間を費やすことになるでしょう。
ここでの思い違いの一番の原因は、
高い周波数の音が入るほどキレイな音になるといった勘違いです。
発声について調べていると、「倍音」「響き」「喉を開ける」など、様々な説明があります。
しかし実際には、言葉だけでは自分の声で何が起きているのか分からず、
かえって混乱してしまうことも少なくありません。
久米音楽工房では、実際の声を聴きながら、
- なぜ苦しくなるのか
- なぜ響かないのか
- なぜ高音が不安定になるのか
を整理し、一人一人に合わせて発声を考えていきます。
「色々試したけれど改善しない」という方も、お気軽にご相談ください。
- 本当に倍音をたくさん出そうとしなくて良いのでしょうか?
- はい。倍音は出したい音と違う音程の音です。
もしもたくさんの倍音が聞こえてしまったら、
何の音か分からなくなってしまいます。
明るく響く声には倍音が多く含まれていると間違って解釈されています。
違う音程の音に過ぎません。
久米音楽工房では、
川崎で声楽、発声の個人レッスンを行っています。
田園都市線宮崎台駅
(渋谷から約25分、二子玉川から約10分)すぐの自宅です。
高い声が出ない、声量がない、
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