レッスンの詳細はこちらからどうぞ

力が入りすぎている時の解決法の例~声の診断13

発声で力が入りすぎているとはどういうこと

 発声で力が入りすぎていると思われるのはほとんどの場合、必要な力が足りないために他の部分がそれを補おうとして無理をしてしまうことに問題があります。ですので、力を抜けば良いというわけではありません。ですが、最後まで歌えないくらい力が入っていたり、そうでなくとも発声に無理がかかりすぎてやりたい表現が出来ないということはよくあることです。とにかく、必要な力が正しく入れられるが先にあって、その結果として脱力があります。

力が入りすぎる理由

 力が入りすぎる理由は色々考えられますが、基本的には声帯を閉鎖させる力を維持するために無理がかかるか、声帯が上手く引き延ばせられず、音程を上げるのに力が入りすぎることがほとんどです。出しやすい音域で小さい声で歌っているのに力が入りすぎるということはありません。それ以上に高い音を歌う時や、大きな声で歌う時に力が入りすぎることになります。

 まず、高い音を歌うには十分に声帯が薄く引き延ばされる必要がありますが、これが上手くいかないと高い音を歌うことは不可能です。それでも高い音を歌おうとすると、本来使われる筋肉以外の筋肉も一緒に使ってなんとか音程を上げようとします。

 次に、声帯の伸展がある程度働いても、高い音が続く場合声帯を閉じ続けることが難しくなります。ファルセットは楽に出せるのに実声で歌うのは難しくなるのはそのためです。さらにそれほど高くない音でもいつもより大きな声で歌おうとすると、より強い声帯の閉鎖が必要になりますので、それをキープするために声帯を閉鎖する力が足りなくなり、力が入りすぎることになっていきます。

 この2つが力が入る過ぎる主な要因になります。

 とにかく、必要な力が足りないために無理がかかり、余分に力が入ってしまうことになりますので、力を抜こうとしても上手くいくものではありません。基本的な練習を続けながら、多少無理をしてもより高い音、より大きな音にも挑戦し続けることが必要になります。高い音や大きな音を出さないようにしてしまうとそれ以上に進化していきませんし、基礎練習を重ねていかないといつまでも正しい筋肉を育てることが出来なくなりません。

対処方法 声帯の伸展

 さてそれでは具体的に何をしたら良いかということになります。まず声帯の引き延ばしに関しては、2つの練習を考えたいところです。1つは半音でも音程が高くなる時には必ず声帯を引き延ばす癖を付けることです。そのためには声帯の伸展がしっかりと自分で把握できることが必要になります。そう難しいことではありません。レッスンではたくさんの生徒さんが、最初のレッスンで大体感じ取れることが多いようです。声帯自体はすぐに反応しても、実感は出来ない方も多くはないですがいらっしゃいますが、しばらく続けていくと皆さんが感じ取れるようになっていきます。

 もう1つは瞬間的にギリギリまで声帯を引き延ばした音を出すことです。一瞬だと結構出せるものです。ハイF近くの音になります。ただし声帯の伸展がある程度出来るようになってからが良いでしょう。

対処方法 声門の閉鎖

 声帯の閉鎖に関してはどうしても力が必要なところです。大きな声を全く力を入れずに出せるわけがありません。鼻歌を歌っているのに普通の人の数倍の音量で聞こえるなんてありません。音量のある人は上手に力を声門閉鎖に集中できているだけです。そこで一つ練習のヒントです。声門閉鎖をほとんど横隔膜の収縮のみで作ろうとしてみてください。つまり、横隔膜の緊張が声門閉鎖につながれば良く、つながらなければだめだという判断で練習してみると、横隔膜と声帯の連動の一つの形がはっきりするはずです。声帯の閉鎖が上手くいかないと音になりませんので、あちこちに無理をかけて声を出すことになってしまいますので、まずはこの連動が見つかるだけで、ずいぶん楽になります。それからこれがとても大切なことですが、お腹に力を入れても声帯が閉じる方に力が入らなければ無駄な力になります。むやみに力を入れるのではなく、お腹に入れる力は声門閉鎖に関係するように練習していきます。

声帯にかかる負荷を軽減するために体をしっかり使うのは正しい考え方ですが、体を使ったのに声帯が反応しなければ無駄になります。

お問い合わせはこちら