声の出し方が大きく変化して歌いにくくなる高さの音をパッサージョ(チェンジ)と呼んでいます。例えば低い音から音階を歌っていくとき、そのままで歌って いこうとすると苦しくなる高さの音にたどり着きます。そこで、それまでとは声の出し方を変えて、薄くて、軽い音、もしくは頭に抜けるような音に切り替える と、さらにもう少し高い音まで歌えるようになっていきます。男性の場合、出せない高さの音まで達したあと、ファルセットに切り替えるともう少し高い音ま で、また、ファルセットがうまくできる人は、相当高い音(ハイCより上)まで歌うことが出来ます。
このように急激に発声の状態が変わる高さの音を、パッサージョ(イタリア語)または、チェンジ(英語)と呼んでいます。声区に関してまとめた記事を作りましたのでこちらもご覧ください。
広い音域を問題なく出せている間はパッサージョを考える必要はありません。音量が増えてくるとどうしても考えなくてはならない時が来るかもしれません。その時は意図的にパッサージョで声を切り替える練習をしていきます。
ここに2つの大切なことが出てきます。まずは、1つの歌い方で押し通すのではなく、異なった2つの声の出し方を習得するこ とで、音域が遙かに広がっていきます。たいていどちらかが苦手で、あまりきれいな音にならないものですが、それでも、苦手な方の練習を重ね、使える音にし ていくことです。
もう一つは、出来るだけこの2つの声を自然に、なめらかに行き来できるようにすることです。
書き方が悪くて、実声とファルセットの境目をパッサージョだと思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし胸声と中声、中声と頭声の境目をパッサージョと呼んでいます。ファルセットに移行するほど大きな変化はありませんが、しっかりと変化させられなければ、頭声や胸声は貧弱なものになってしまったり、使えなかったりします。
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