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表情記号 音楽について 2

楽譜に書いてある記号

 楽譜には様々な強弱や速度やその他演奏に必要な記号が書かれています。前回の「楽譜を読む」でこのような記号通りに演奏することを最優先させなくても良いかもしれないと書きましたが、このことをもう少し考えてみたいと思います。

時代と楽譜

 このような記号は時代によって、また作曲家によって使い方が違います。バロック以前ではほとんどこのような記号は書かれて いなかったし、古典派以降の作曲家でもあまり書かなかった作曲家もいるし、うるさいくらい書き込みの多い作曲家もいます。例えば西洋音楽が入ってきて間も ない頃の日本の作曲家の楽譜にはとてもたくさんの表情記号の書き込みがあります。これはたやすく想像が出来ることですが、西洋音楽の伝統のない時代には、 作曲家は細かく書き込みをしないと演奏家は曲を理解してくれないと思ったのだと思います。しかし演奏する側からいわせてもらうと、書き込みの多すぎる楽譜は不自由で窮屈に感じてしまいます。

記号を無視する演奏と縛られる演奏

 レッスンをしていると、もちろんほとんどこのような記号を無視して演奏される方もいます。見落としていたり、それを表現する余裕がまだ無いのだと思います。それと正反対ですが、どんなに不自然であっても、書かれている記号に忠実な?演奏もよく耳にします。作曲家の作品に対する考えが記号に現れているのですが、それですべてが表されているのではなく、そこに現れなかったものを読み取ることがもっと大切な気がします。

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