アルトは音が小さい、汚いと言われることが多いようです。それには色々な問題があるのですが、その原因を書き出してみます。
音楽大学ではソプラノとアルト(ここではメゾソプラノはアルトに分類します)の人数には均等ではなく、圧倒的にソプラノが多くなっています。つまりメゾソプラノを含めてアルトの人数は元々少ないのです。ただし、合唱の場合はほぼ同じ人数のソプラノとアルトが必要なので、本来はソプラノだろう人がアルトのパートを歌っている現状があります。
合唱のアルトパートの音域がとても低いことが次の問題です。アルトといっても実際はメゾソプラノの人が多いのですが、メゾは多分にソプラノに近い音域を持っています。しかし実際のアルトの楽譜は五線の下の方が多く、低すぎます。この2つが重なることにより、本来はソプラノだろう人がとても低い声を無理して歌っている現状があります。
五線の下の方からは胸声を使っていかなければならないのですが、なぜか合唱では胸声が嫌がられる傾向があります。そのため低い音であっても胸声を使わずに歌うように要求されることが多いようです。
これらのことから本来の出しやすい音域よりも低い声を出さないといけないわけですので、どうしてもパワーが足りなくなります。当然小さくなって、いつもアルトは聞こえないと言われてしまうことになります。ただ合唱団に一人でもしっかり声の出せるアルトがいると状況は変わります。ですので、解決策の1つは良いアルトを一人見つけるということになります。これはしかし他のアルトのメンバーにしてみれば面白くない解決方法となります。
残りの解決策は今のアルトのメンバーが胸声をしっかり使えるようになることです。ただ使い慣れていない声区の練習は大変です。声帯を少し厚く準備すると低い声がしっかりした声になります。それほど難しい事ではないのですが、使い慣れていない人が胸声を使おうとすると、声帯の厚さに対して十分な伸展筋が入りにくく、音が濁ってしまったり、そこまでではなくても低くなりやすくなります。さらにしっかりとした胸声になればなるほど中声へのチェンジが難しくなりますので、声区の入れ替わりのコントロールがききづらくなります。つまり慣れるまでは不自由な声を我慢しなければならないことになります。これが我慢できないと胸声を使わないように指示されてしまい、こうなると胸声は開発されないままになりますので、声は小さいままになってしまいます。
- 音が汚くなって、先生から胸声を使わないようにと指摘されます。
- これは逆で、胸声のトレーニング不足です。まずは汚くなっても使うことが必要になります。そして胸声でも声帯がしっかり伸ばされたり、音程が上がるときに声帯の伸展の変化を感じるような練習をしながら、キレイな胸声を目指しましょう。
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