発声も一人一人その時の目標が違うし、さらにその方法も多様です。しかし、あまり経験のない方には、まず声を出すことに慣れるということが、最初の目標になります。日常の会話で使う音域は、歌で使う音域から考えると、低く、さらに狭い音域です。少し高い音を使ってみるところから始めます。
この時、ウの母音を使うとうまくいくことがあります。余分な力が抜けて、喉が開きやすくなるからです。また少し体を使っ て、深く吸った息をやや遠くに流すように感じていく(少し膝を曲げた状態から伸ばしながら音を出していくとさらにわかりやすいです)と軽く高い音が出てき ます。
この楽に出せる少し高めの音が頭声といわれる声で、これを使うことで声に魅力が出て、音楽的な表現につながっていきます。
歌を歌うことは健康にもとても良いです。歩いたり、走ったり、泳いだり、といった普通の運動と少し 違って、体の内部をよく動かします。また結構運動になるもので、しっかり声を出していくと、うっすら汗をかいたりもします。スポーツに近いですね。どんな に体に良くてもやり過ぎは良くないので、一人一人の体力と、その日の体調に合わせて練習をしていきます。
ダイエットにもなりますと言えればいいのですが、世界の有名な歌手達を思い浮かべてみると、残念ながらそうはいかないようです。ただ歌うと太っていくということは全くありません!たまたま体格のいい人に声のいい人が多いだけのことです。
呼吸の練習の一つに、深く息を吸って、その深いところからあふれ出てくるように息を吐く練習があります。ヨガに近いのかも しれません。(ヨガの呼吸と発声に必要な呼吸は非常によく似ています)生徒さんでとても良い呼吸をされていたので、聞いてみると、ヨガを勉強されていたと いうことがありました。
この呼吸がうまくいくと、肩の力が抜けて、重心が下がり、それでいて、体の中からエネルギーがわいてくるような感じになります。
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