共鳴を増やそうと空間を広げようとして、
ざらついた声になったり、
響きが悪くなった経験はないでしょうか?
レッスンでは空間を広げようとすることなく、
良く響いた声を実感できると思います。
興味のある方は体験レッスン等のお問い合わせよりどうぞ。
共鳴に関して他の記事でも書いていますが、
今回はもう少し違う視点で書いてみます。
最初に少しややこしい話をします。
発声には関係のない事なので、この部分を飛ばして次の章から読んでもらっても良いのですが、
物事を考えるときに重要なことでもありますので、
読んでいただければとも思います。
「共鳴」のように、誰もがはっきりと共通認識をもてないようなものに関しては、
まず言葉の定義が必要になります。
物理学的に共鳴はどのように定義されているのか少し調べたのですが、
ネットで調べただけですが、明確な定義は分かりませんでした。
主に2つの現象について共鳴という言葉を使ってありました。
一つは同じ大きさの音叉を2つ用意して一つを叩いて音を出すと、
叩いていないもう一つの音叉からも音が出る現象。
もう一つは音が生まれると空気の振動と共に空気中を伝わっていき壁にぶつかると反射します。
その反射した音の波と元々の音の波が重なることにより増幅される現象。
最初の例だともう一つの声帯、もしくはそれの代わりになる振動体が必要になりますので、
今回は無視します。
次の例だと同じ周波数で波の干渉が起こる事にのみ触れていますが、
反射が繰り返されることが声の響きにつながることもあるようにも思えますので、
良い声を作ることに関しては少し足りない気もします。
ですので、科学的に考えると題を付けましたが、
声帯で作られた声が増幅されたり、
響きが増えたりする現象をまとめて共鳴という言葉で書いていきます。
本来の言葉の定義と違うかもしれませんが、ご容赦ください。
音楽ホールのような良く響く空間をまずは考えてみます。
この正反対の場所は何もない広い空間、
単純に建物などが近くにない外で歌うことになります。
(無音室という空間があって、そこの壁はすべての音を吸収し反射が全く起こらない場所です。
外で歌うと書きましたが、地面はあるし、完全に響きのない場所は無音室になります)
よく響くホールに必要なものは固い壁です。
音が発せられると秒速340mで進みます。
とても速いですので、音はすぐに壁にぶつかり反射します。
またその音も次の壁にぶつかり反射を繰り返しますので、
完全に音がなくなるまではホールに響き続けることになります。
音響の良いホールでは残響時間は2秒くらいに設計されます。
もちろんもっと固い壁で反射してもなかなか音が減退しないような建物ではさらに残響時間は長くなります。
石造りの教会などでは残響はとても長いので、
速い曲などでは音の粒が聞き取れないほどになります。
ここで発声を考えます。
共鳴に関して声楽家が出来ることは何かということを考えてみます。
ホールと同じように固い壁が必要になります。
これは骨です。
骨がしっかりしていて、そこに付いている筋肉等の組織が薄いところほど音の反射が多くなります。
鼻腔共鳴が取り上げられるのはこの条件に合っているからです。
口の中も空間を作れますが、上顎での反射はあっても舌は多分に吸音してしまうので、
あまり役には立たないということになります。
これは好都合でもあり、母音の種類により、口の中の形は頻繁に変えられますが、
共鳴に関してはあまり影響を受けないので、
ある母音はよく響いたり、別の母音は響かなかったりということがなくなります。
こう考えると硬い骨で囲まれた空間でメインの共鳴は行われるし、
さらに堅くするなども出来ないので、
声楽家は共鳴に関して出来ることはほとんどないと考えた方が良いように思います。
気管自体は多少堅い素材で出来ているのではないかと思いますが、良くは分かりません。
ごめんなさい。
おそらく音の反射は起こっていると思います。
ただ同じようにさらに堅くなどは出来ませんので、
やはり同じようにコントロールは出来ないと考えた方が良いかと思います。
またホールの話に戻ります。
ホールでもっと響く声にしたい場合は壁の素材をもっと堅いものに変えれば良いわけですが、
当然そんなことは出来ません。
もしそれが出来たとしても、音はより大きくなり、
残響時間は長くなりますが、良い音とは限りません。
ホールで歌うときに声楽家が出来ることはより美しい声を出すことだけです。
汚い声はホールで響かないかというとそんなことはありません。
汚い声であっても声は壁にぶつかって反射を繰り返しますので、
汚い声が増幅して聞こえてきます。
つまり声楽家が出来ることは美しい声を出すことだけだということになります。
当然の結論ですが、大切なことです。
これをまた発声に変えて考えると、
きれいな声帯の振動を作ることのみが共鳴を最大限に生かせる方法になります。
声帯が必要十分に伸展されていて、ほど良くムラなく閉鎖があり、
決して多すぎない息の安定した流れで声帯の振動を作れれば、
理想的な共鳴は自然に作られるということになります。
共鳴腔を広げようと考えすぎない方が良いと他のところでも書いていますが、
広げようとする感覚が声帯の閉鎖を弱くして、
これにより閉鎖の反動として起こる声帯の伸展も不十分になり、
声門の隙間が多すぎるために多くの息を流さざるを得なくなることがあります。
共鳴腔を広げようとして、結果音がざらついてきたり、息っぽくなったり、
音程が定まりにくくなったり等の現象があれば、
空間を広げることを忘れた方が良いです。
- それでも空間を広くした方が良く響きませんか?
- 先入観が判断をゆがめることは多々あります。
おそらくスペースが広いときと狭いときとではどちらがよく共鳴する(響く)でしょうか?
と質問すると、大多数の人が広い方だと答えるのではないでしょうか?
これが先入観の一例だと思います。
四方コンクリートの壁で作られた三畳の部屋と、
同じコンクリートの東京ドームくらいの広さの部屋があったときにどちらが響くでしょうか?
音は発音されたあと空気の振動で遠くまで伝わっていきますが、
距離と共に減退していきます。
壁までが遠いと相当減退したところでやっと反射します。
それに比べて狭い部屋は減退する前に壁にぶつかりますので、
強い音のまま反射を繰り返すことが出来ます。
共鳴が効果的に起こるのは狭い部屋になります。
実際に十数人くらいしか入らない小さなそれもコンクリート造りのホールで歌のコンサートをすると
耳が痛くなるくらい響きます。
大きな教会などではキレイに響きますが、
耳が痛くなるように大きな音にはなりません。
先入観が強い人はそれでも広い方が良く響くと答えそうですが。
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