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呼吸の練習で気をつけること~呼吸法22

 発声のための呼吸の練習は声を出しながらやるべきで、呼吸だけの練習はあまり必要ありません。通常の呼吸と発声のための呼吸とでは声帯が閉じているかそうではないかの違いがあります。声帯が閉じていないときの呼吸は発声の状態とはほど遠いので、あまり有効ではありません。どうしても声を出さずに呼吸の練習をする必要があるときには、極力声帯が近い状態を作り出す必要があります。Sの子音だけを使ったり、空手の「息吹」のような(息だけであーーというイメージですが、間違っていたら申し訳ありません)感じだと声帯が音になる直前まで近づきます。横隔膜に息の返りのようなものが感じられます。

 喉を痛める2大要因があります。一つは声帯を無理に振動させるケースで、わかりやすいと思います。急に大きな声を出したり、長く声を使ったり、無理した発声を続けると声帯がバタバタと不規則にぶつかりますのでその結果声帯を痛めてしまいます。

 もう一つは息の多い発声をすることです。これはわかりにくいかもしれませんが、このような発声をすると、声帯が乾燥します。さらにあまり大きな声を出していないにもかかわらず、声帯はきれいに振動してくれませんので、結果的に声帯を痛めやすくなります。声が出しづらいからと言って、息っぽい声でしゃべるのはよくありません。呼吸練習はこの2つめの状態に近いので、やり過ぎないように注意が必要ですし、喉の調子の悪いときには避けた方が良いです。風邪だから呼吸の練習だけしようとするのは、逆効果です。声がある程度出るようでしたら、普通に発声をした方がよっぽどましです。

 それでも呼吸筋を鍛えるために呼吸の練習をした方が良いと思うかもしれませんが、もしそうであれば、走ったり、泳いだり等普通の運動をした方が、ずっと効果的です。特に水泳は水圧のかかる状態で息の長い呼吸をしなければなりませんので、良い練習になります。

 私のレッスンでもたまに呼吸の練習をします。目的は2つです。1つはより深く息を吸うこと。もう一つはゆっくり長く息を吐くことです。通常の呼吸に比べて歌うときにはより深いところに息を感じる必要があります。曲によりますが、通常歌い始める1小節前くらいから息を吸い始めるものですが、直前の1拍前に息を吸っている人は深い呼吸が出来ていない可能性があります。深く吸うことに慣れた方が良いかもしれません。

 ゆっくり長く吐くためには横隔膜が適度に抵抗していないといけません。息を深く吸うこととセットで練習できると、この抵抗が自然と生まれてきます。

 さらに強く横隔膜を使うときには絶対に声を出した方が良いです。横隔膜の収縮と共に声門閉鎖が強くならないと発声にはつながりません。