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共鳴のスペース~共鳴のためにスペースを広げた方が良いという思い込み

共鳴に関する二つの疑問

発声に共鳴は必ず必要です。

1~2cmの長さしかない声帯の振動で出た声が

大きなホールの後ろまで響く声になるためには共鳴は欠かせません。

虫や動物の声にも共鳴は必要です。

ここでいくつかの疑問が出てきます。

共鳴のためのスペースは広い方が良いのか

広げることは実際に出来るのか?ということです。

共鳴スペースは広い方が良い?

 

共鳴のためのスペースは狭いのと広いのではどちらが良いか

と言われると、おそらく広い方が良いと思うのではないでしょうか?

しかし果たしてそうでしょうか?

例えば蝉はとても大きな声で鳴きます。

そばで聞いたら耳が痛くなるほどです。

もちろん体の中で共鳴しているからですが、

もし蝉がもっと大きく、

10倍もしくは100倍の大きさだったら

さらに大きな声になるでしょうか?

おそらくもっと低い声になるものの、

大きさが変わるかどうかは疑問だと思います。

小太鼓と大太鼓を比較してみると、

音の高さが確かに違いますが、

大太鼓の方がより大きな音が出るわけではありません。

共鳴は必要だけれども、

より広いスペースが必要だということではないということです。

喉を開けることが空間を広げることだと勘違いしたときの問題点

共鳴スペースは変えられるか?

⚠️ 軟口蓋に関する重要なお知らせ

軟口蓋論争

次に共鳴のスペースは変えられるかについて考えてみます。

共鳴で一番良く言われるのが鼻腔共鳴です。

軟口蓋を持ち上げると鼻腔が広がって共鳴させることが出来る、

という話をよく聞きます。

なるほどと一瞬思えるのですが、

よく考えてみると変な話です。

軟口蓋を本当に持ち上げられたとします。

軟口蓋は口と鼻腔の境目ですので、

軟口蓋が持ち上げられると、

鼻腔の下の部分が上に上がりますので、

さらに鼻腔が脳の方に広がらない限りは鼻腔は狭くなってしまいます。

鼻腔から考えると床だけ上がってきた感じです。

空間は狭くなってしまいます

共鳴の起こるスペースは全くコントロールできなかったり、

骨に囲まれているところばかりですが、

唯一自由にスペースを変えられるのが口の中です。

口の中のスペースを大きくするためには

舌が常に下がっていなければならないので、

言葉が正確にしゃべれません。

歌には不向きですが、

本当に口の中の容積が増えればとても良い声になるのだとすれば、

言葉のいらないヴォカリーズのような曲で、

最大限声の可能性を引き出した作品があっても良いところです。

実際に声を出してみると分かりますが、

こもった声になるだけで全く使える声になりません。

上顎は問題ないのですが、

舌は柔らかすぎて共鳴には不向きです。

ただこれは好都合で、

口の中の形は母音の変化によって常に変わりますが、

そのたびに響きが変わってしまうのはよくありません。

口の中の形が変わっても響きが変わらないのは

歌詞を歌うには好都合です。

鼻腔共鳴について

さすがに口の中を広くして共鳴させなさいと言われることはないでしょうが、

軟口蓋を持ち上げなさい、

とはよく言われます。

そうすると鼻の方に響いてくるのを感じます。

軟口蓋を持ち上げることによって、

鼻腔のスペースが広がったのかもしれないと思うかもしれません。

上の歯の付け根から奥の方に向かって舌を動かしていくと

軟口蓋まで届くことが分かると思います。

そのまま軟口蓋をあげようとしても、

実際には軟口蓋の位置は変わらないことが分かります。

軟口蓋も変わらないし、

鼻腔の広さも変わらないとすると何が起きているのでしょうか?

持ち上がらない軟口蓋を持ち上げようとすると声帯が引き伸ばされます。

その証拠に軟口蓋を持ち上げようとすると、

喉の前の部分が鎖骨に向かって引っ張られるのを同時に感じます。

この運動が起こらなければ、

一生懸命軟口蓋を持ち上げているつもりでも、

軟口蓋がまだ持ち上げられていないと言われてしまいます。

これらの運動により、

軟口蓋も鼻腔も変わらないのに、声帯が伸ばされ、

その結果鼻に響いて感じられるということです。

レッスンで

レッスンではうそだと分かっていますが、

軟口蓋を持ち上げましょう、

ということがあります。

しかしその時か、少したって声が変わってきた時に、

実際に軟口蓋は上がりません。

しかし、そうしようとすることによって声帯の張力が増し

いわゆる喉がよく開いた状態になり、

結果的に鼻に響いて感じられることを伝えます。

軟口蓋が本当に持ち上がって

鼻に響いていると考えても良いのかもしれませんが、

そうすると常に軟口蓋を持ち上げようと

し続けなければならなくなりますが、

鼻に響きが感じられれば、

軟口蓋を持ち上げる必要はないと分かっていると、

必要ないことを考え続けなくても良くなります。

共鳴スペースを広げなければならないと思った時のもう一つの問題

共鳴スペースを広げようとする必要はないことを書いてきましたが、

広げようと考えることの害について書いていきます。

声は声帯がしっかりと閉じてはじめて成立します。

より大きな声を出すためには

通常よりも強く閉鎖されないといけませんが、

スペースを作ろうとする感覚と逆行します。

声がしっかり出るようにスペースを広げようとしているのに、

声帯の閉鎖が弱くなって、

結果息っぽいぼやけた声になることがあります。

指導者は生徒さんに合わせて、

スペースを広げるように指示を出した時、

声帯の閉鎖が悪くなるような事があれば、

すぐに言葉を変えていかなければなりません。

逆にスペースを広げるように指示を出しても、

声帯の閉鎖はしっかりとして、

さらに声帯の伸展がどんどん良くなるのであれば、

スペースを広げようといっても良いです。

ただしこの生徒さんがプロになって指導するようになった時に

その次の世代に問題が出てくることは考えられます。

レッスン

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