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U「う」の母音~言葉と発音10

外国語のUの発音

 声楽ではイタリア語、ドイツ語、フランス語を使うことが多いですが(他の言語の声楽曲もたくさんありますが、多く歌われている言語です)、スペルと発音の関係をある程度クリアできたら、さらにそれぞれの言語らしい発音にする練習になっていきます。色々な違いがあるのですが、とりわけ目立つ一つがU「う」の母音です。基本的に日本語よりも深い音になります。西洋の言葉の方が日本語よりもやや声帯が引き延ばされた状態で話されますが、このUの母音の違いが大きいのでは無いかと思います。

 深い音と書きましたが、2つ要素があって、声帯自体が日本語より引き延ばされます。さらに口の中の空間も広くなります。とりわけ口の中が広いのが独特な音色を作りますが、それに伴って声帯自体もよく伸びて、いわゆる喉が開いた音になっています。それらしく発音するには少しOが混ざったような発音をすると良いです。他の母音も同じような傾向がありますが、一番目立つのはUの母音です。

日本歌曲での「う」の問題

 Uの母音が深く発音されるようになると他の母音もそれに近づいていきますので、まずUの母音を作っていければ良いかと思います。さてこれになれてきたら今度は逆に日本歌曲の発音が問題になってきます。同じように母音を深くして日本歌曲を歌うと、外国語のような日本歌曲になってしまって違和感が強くなってしまいます。実際イタリア歌曲のような日本歌曲を何度も聞いたことがあります。イタリアでオペラの勉強を一生懸命やってきた人が日本でリサイタルを開く時、日本歌曲をそれほど歌ってこなかったけれど、せっかくの日本のお客さんに喜んでもらうために有名な日本歌曲をプログラムに入れることはよくあります。イタリアでもっとUを深くと習ったそのまま日本歌曲でも同じように歌うということになってしまいます。ここで新たな課題、西洋の発声で日本語を歌うことを見つけていかなくてはならなくなります。

 日本語らしく発音すると喉が開かなくなり、喉を開けると日本語らしくなくなってしまって、難しそうに見えますが、実はそうでもありません。口の中の容積と声帯が伸ばされるかどうかは無関係にコントロールできます。ハミングやNGの発音は通常口の中の容積はとても小さくなりますが、十分に喉を開くことはできます。おそらくイタリアで口の奥の容積を広げることも使って喉を開けていたのを、口の容積を少なくして同じように喉を開けなくてはならないので、そのための練習が必要になります。日本語だから簡単に歌えるというわけでもないのです。

母音で歌うことについて~練習例 9

プロの歌手の日本歌曲の違和感

 プロの声楽家が歌う日本歌曲に違和感を感じたことがある人は結構多いのではないかと思います。これは今回書いたことが一つの原因になっています。他にも表現のことなどもありますので、よく練習して取り組むことが必要になります。

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