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音圧という考え方~呼吸法 16

空気柱、音圧

 発声のための呼吸で、音圧を高めることが必要だとか、喉とお腹の間に空気柱を感じて歌うとか、つまり喉とお腹の間に何かしら圧力の加わった空気を想定するといった考え方があるようです。これは間違いとは言えませんが、危険をはらんでいます。

音圧という言葉が使われる理由は声の安定性のためです。しかし安定を固定させることに求めてはいけません。発声の状態は常に変化しますので、変化の中での安定を探します。

喉とお腹を固定してしまう危険性

 確かに声帯はしっかりと閉じられていないと声にならないので、閉じられた声帯から息を出そうとすると、少なからず圧力がかかるはずです。(ホースの口を狭くして水を出すように)しかし、音圧をかけようと考えてしまうとどうしても喉とお腹に必要以上に力を入れ、固定させてしまう傾向にあります。この固定されてしまう感覚に縛られなければ、音圧を考えるのもあり得るかもしれません。

発声における息と音の関係~呼吸法32

固定ではなく変化の中に安定がある

 発声の状態は常に変化をします。音の高さや大きさが変化するのに合わせて変化するだけではなく、息の出始めと伸ばしている最中でも変化し続けています。同じ音でロングトーンする時でも、変化に対応できなければ、音程はどんどん下がり、音量もなくなっていきます。そのような変化に常に対応し続けるのが発声なので、筋肉を堅くして動かなくしたり、もうこれ以上入れられないくらいまで力を入れたりすると、発声は壊れていきます。

横隔膜を見つける~呼吸法23

 横隔膜は音圧を上げるために必要だと書かれているものも多く目にしますが、間違いとは言えませんが、発声の進歩を止めてしまう原因にもなっているかもしれません。その反動で、横隔膜なんて発声には関係ないといった意見まで見かけますが、これは明らかに間違っています。しかし、お腹に力を入れるという事が変に作用し、色々な部位の硬直を作り出してしまうようだと、全く逆の意見もちらほら聞かれていくことになります。

無意識が目標

 結局横隔膜をもっとしっかり使いなさいといわれるのも、横隔膜は気にしないで歌いなさいといわれるのも、半分正しくて半分間違っているのかもしれません。レッスンの場では気にしなさいと言われたら気にしてみる、気にしないように言われたら気にしないでみるというのが一番良いように思います。そして最終的に気にしていないのに正しく動いていたら一番よい状態なのです。

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