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声区~発声の仕組み23

 声区についてまとめておきます。専門的に声楽の勉強をしたことのない人でも、高い声を出すときと低い声を出すときとでは声帯の状態に違いがあると感じると思います。そこで低い声区を出すときの発声、高い声区を出すときの発声をうまく変化させられると、広い音域で無理なく歌うことができるのではないかというのが声区の意味です。

 声区は2つだとか3つだとか5つだとかいろいろな考え方があります。このことからも絶対的にこうだという正しい一つの答えがあるわけではなく、いろいろな捉えられ方があることが想像できます。

 声区ができる仕組みを説明します。声帯には2つの違った方向の力がかかります。一つは声帯を引き延ばす力、もう一つは声帯をしっかりと閉じる力。この2つの力はどんな声を出すときにも両方必要で、どちらかが欠けてしまうと声にはなりません。しかしこのバランスを変えることによって、様々な音程の音を作り出せます。声帯を薄く引き延ばす力がより強く働くと、高い音になり、声帯を閉鎖させる力がとても強くなり、声帯がより厚くふれあうようになると低い声が出ます。こう見ていくと声区は2つのようにも見えます。しかし実際はどうでしょうか?

 出しやすい中間域から高い方に向かって声を出してみましょう。中間域では先ほどの2つの力が両方ほどよく使われています。そのまま音程をあげていくとそのままではあげられない限界の音に達します。そこで声帯のふれあう面積を小さくしてより薄く引き延ばしていきます。そうすると先ほどの限界だった声を超えてさらに高い音の可能性が出てきます。

 今後は中間域から低い方に声を出してみましょう。そのまま出していくと出ないわけではないけれども、弱々しいとても歌にはなりそうにない声になってしまいます。そこで声帯を少し厚めにふれあわせていきます。すると厚みのある男性的な声に変わり、低い声もしっかりと響くようになります。

 このようなことから3つの声区に分けて考える考え方が現在では主流になっているようです。しかし、声帯のふれあう面積だとか声帯を引き延ばすとかいわれてもそのようにできるものではありません。そこでいろいろは発声のスタイルができたり、先生の耳に頼って言われるままに練習をしていくことになるのです。

 ただ、分かっているかどうかは別にして、声区による声帯の状態の変化を作り出せなければ音域は広がりません。トレーニングしていなくても2オクターブ以上の音域で歌える人は声区の変化ができていますし、逆に音域が狭いと感じる人は声区を利用することによって、音域が広がることになります。