本番の後、「とっても良かったけど少し力が入っていたみたい」と言われると、
ほとんどの人がそうかもしれないと思うのではないかと思います。
上手く脱力できているとはなかなか自信を持って言えないのではないでしょうか?
実際は力が入りすぎるよりも、力が入らない方がよっぽど問題がありますし、
結構力を入れないと出せない音もあります。では対処をしなければならない、
力の入りすぎた状態はどのようなものなのでしょうか?

この判断は結構簡単です。
過度に力が入りすぎていれば、
そのままでは長く歌うことが出来なくなります。
短い時間しか歌えなかったり、しばらく歌ったらどこかが痛くなってきたり、
すぐに声が疲れてきたなど、
短時間で異常が出てくる時には何か問題があると考えた方が良いところです。
そのままで多少長く歌っても、苦しくならないようでしたら、
もしかしたら力が入りすぎているかもしれないと思ったとしても、問題ありません。
そして、長く歌っていくのは難しいとなった時に、二つ考える必要があります。
発声上の大きなゆがみがあって、修正しなければならない時と、
発声は悪くないのにその音を出す筋力が足りないために無理をしてしまう場合です。
最初の例は方向を変えなければなりませんが、
後の例は無理のない程度にやり続けて筋力を付けていかなければなりません。
そしてこの判断は難しいです。
指導者はこの判断を正しく行う力が必要です。

良くない時には音が不安定になったり、
音程が定まらなくなったり、
強弱が変化できなくなったり等その他の症状も出てきます。
また音質での判断は注意が必要です。
よくある例の一つです。
いつもより良い状態で力を入れることが出来た時に、
少し堅い音になって良くないと思うことがあるようです。
実はこれは良い状態であることが多く、
声楽に限らず明るい音は良い音だという判断がありますが、それがこの音です。
この声は無理していないのに普段より急に音量が増え、
その代わり柔らかい音ではなく、明るいキンキンしたような音になります。
鋭く耳に飛び込んでくるので、喉声だと思う人も多いようです。

力が入っているのは良くない、
脱力が大切だという方向に行きすぎているようにも思います。
これは歌う時に力を抜きすぎている人が多いというのではなく、
考え方として脱力が言われすぎるということです。
結局真面目に脱力をしなければと思いすぎてしまった人は上達できず、
残念なことになってしまいやすいということです。

1~2回通して歌うことも困難なくらいだと取り急ぎ対処をすべきです。
しかし、方向を変えるべきか、
逆に同じ方向で無理の無い程度でやり続けた方が良いかの判断は難しいです。
何回も歌えるようであれば、力が入りすぎているかもしれないと思っても、
それほど問題はありませんので、
そのまま次の段階に向けて練習していけば良いでしょう。

繰り返し歌えないくらい無理していれば何らかの対策を考えた方が良いですが、
そうでもなければ、無視して通常の発声練習をした方が良いでしょう。
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