音程は色々な角度から見た方が良いです。前の音からの音程間隔だけで処理をしようとしても難しいこともあります。今回は和音から音程を考えてみます。ピアノ伴奏が和音がわかりやすいように書かれている時に有効です。楽譜に慣れていらっしゃらない生徒さんには難しいところもありますが、少し慣れたところでこの練習は始めていきます。歌のパートの楽譜だけでも音程やリズム、さらに歌詞まであって一度に把握することは難しい上に、ピアノの楽譜まで見るとなると大変なことになります。楽譜に慣れてからが良いと思います。
ここでやりたいのはいわゆるハモった状態を探すことです。ピアノの伴奏のパートを見ると、和音の構成音(和声音)のみでできている曲もたくさんあります。まずはこのようなシンプルなものから始めていきます。伴奏の、特に左手で使われている音を見てみます。これが3,4種類の音だけで書かれている場合、そのすべてが和音の構成音だと考えられます。そして歌の楽譜の中で和音の構成音だけに集中して、和音と音がきれいに溶け合っているかの確認をしていきます。普通に歌うとは持っているのかどうか分からないうちに次の音に進んでしまいますので、この場合は和音の構成音の度に音をのばし違和感がないかを確認します。きれいに溶けているのかずれているのかの判断は付きやすいと思います。ずれている時に高いのか低いのかはわかりにくいかもしれませんが、少し上げてみたり下げてみたりしながら、きれいに響く音を探していくと、だんだんハモった感じが分かっていきます。
少し難しいと感じることもあるようですが、ハモった感じが分かるだけで音楽は格段に心地良くなっていきます。少しずつ練習していって下さい。レッスンではすぐにできる人と時間がかかる人がいますが、高いか低いかの判断が難しい人でも、時間をかけて練習していくと、無意識のうちに音程の修正をし始め、合わせるべき音を少しのばしただけで正しい音程にたどり着くようになっていきます。そうなるとレッスンは簡単で、合わせる必要のある音を少しのばしながら、音程を聞きましょうというだけで済みます。
ピアノの左手が和音的ではなく、音階を弾いていたり、特に半音階だったりすると、この練習は難しくなります。他の方法を考えた方が良いかもしれません。
またここでは和声音のみについて書きましたが、もちろん非和声音(和声外音)も使われます。これは和音に溶けませんので、しっかりぶつけるように、和音に対して緊張感を持つように歌っていきます。この緊張感を避けようとすると和声音に近づいてしまい、結果音程は崩れていきます。
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