楽譜には主にリズムと音の高さが書かれています。その他にテンポや強弱、表情などが入り感動的な演奏が作り上げられることになりますが、この中で音の高さが一番よく分からない部分なのでは無いでしょうか?リズムに関しては拍子とかテンポも含めて、再現が難しい事もあるとしても分からないということは少ないと思いますが、 音の高さに関しては調性とか和音が音楽を作っていることは分かってもこれらは何者なのかとか、なぜこのメロディーは感動的に感じられるのかとか、よく分からないもののそのまま受け止めるしか無いことが多いかと思います。
リズムは拍子が基本になりますし、音の高さは音階が基本になります。これらには先が読めるという共通点があります。2拍子の場合は強弱、強弱、強弱の繰り返しになりますので、多少はぐらかされることがあったにしろ、大部分はこの繰り返しだと予想することが出来、安心して音楽を聴くことが出来ます。ポリリズムのようにやや複雑なリズムになったとしても複雑なまま繰り返されるので、安心感は生まれてきます。毎小節拍子が変化したとすると、先が読めずに安心して音楽を聴けなくなります。
音階において先が読める、安心できるというのは、主音に戻ろうという指向性です。主音はハ長調だとハの音(ド)、ヘ長調だとへの音(ファ)になります。この主音を中心に少し遠くに行っては戻り、また離れては戻ることを繰り返しながら音楽は出来ていきます。
ここからはハ長調で話をしていきます。すぐに主音であるドの音に戻っていては安心感は強いものの、面白みに欠けます。それで他の音にも寄り道をしていきます。ドの次に安心できる音、一時休憩できる音に5度上のソがあります。完全5度という音程になりますが、ソの音はドから離れているものの、ドの音との融和性が強く、ドの音で終わるのを完全終止と言いますが、ソの音で終わるのも半終止と名前が付いているように、一時立ち止まれる音になります。安定と表情は逆になることが多く、安定は表情に乏しく、不安定は表情豊かになりやすいものです。表情豊かな音の代表がミとラです。その証拠にこの2つが半音下がると短調に変わってしまいます。そしてドに向かう指向性の一番強い音がシの音です。主音の半音下ですが、導音と特別に名前が付けられています。シの音が長く伸ばされたり、何度も演奏されるとドの音に向かうエネルギーがたまってきて、ドの音にたどり着くとほっとするという構造になります。残りのレとファは経過的な音だったり、調性から遠く離れようとする音にも聞こえてきます。
音階の各音が持っている性質について書きましたが、別の人が書くと少し違う表現になるでしょうし、大枠は同じだと思いますが、やや違った捉え方も出来ると思います。しかし、音階は音の高さを表すものではありますが、音の色合いが既にあるのだということが重要だと思います。ミファとシドは同じ半音ですが、ミファの少し違う世界に行こうとする感じとシドの緊張感は違うものになります。
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