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呼吸法の原則~発声と呼吸の関係

息が声を作る

息が閉じた声帯の間を通ることにより声帯が一旦こじ開けられて、直後また閉じます。

そしてまた息が通ることでこじ開けられ、再び閉じます。

このように声帯がぶつかり続けることによって声が生まれます。

と言うことですので当然のことながら息が動かないと声は生まれません。

第1の原則です。息は流れ続ける必要がある。

息が多いと・・・

息が流れることにより声は生まれ、息が止まると声も止まります。

しかし、息が多いとどうなるでしょうか?

声帯が開いている時間が長くなり、閉じにくくなりますので、

苦しい割には音にならない、つまり効率が悪くなります。

第2の原則です。息の量は少ない方が良い。

それでも息が少ないと音は飛ばない?

音が遠くに飛んでいくということに関しては2つの要素が考えられます。

1つは音量が小さい。もう一つは音が広がって感じられない

この2つは違う要因で起こりますので、まとめてしまってはいけません。

音量が小さいのは声帯の閉鎖の弱さが原因です。音の広がりが不足するのは声帯の伸展不足です。

どちらにしても息の量は全く関係ありません。

第3の原則です。音の飛びと息の量は関係がない。

息が客席に届いて声が聞こえるのではない。

考えてみれば当然のことなのですが、

息が届くことによって声が届くと考えてしまうことも多いようです。

声帯の振動で生まれた音によってその周辺の空気が振動します。

その振動のみが伝わっていきます。

空気はその場に居続けます。

ちなみに音の速さは約秒速340mです。

時速に換算すると3,600秒をかけ算しますので、1,224,000mつまり時速1,224kmになります。

飛行機がたしか時速900km位だったと思いますので、それよりも速いということになります。第4の原則です。息は客席に届いていかない。

音量は声帯の閉鎖の強さ

Singenより引用

少し遠回りして声帯の閉鎖の話をします。

通常声帯の写真は上から撮られたものが多いですが、

この図は後から描かれたものです。

上からの写真で声帯は白い筋ではっきり見えますが、このように後ろから見ると、

弾性円錐(d)の上端に声帯(b)があることが分かります。

声帯筋(a)はしっかりとしていて、声帯を閉じるためにとても大きな仕事をします。

また声帯が弾性円錐の逆V字型の上端にあることが重要で、

下からの息に関してはどんなに声帯をしっかり閉じていても簡単に息は声帯から上に抜けることが出来ますが、

上からの息に関しては強く閉じてしまいますので、

ほど良く開閉させることが難しくなります。

声帯を開閉させるられると声が出ますので、

息を吸いながらでも声は出ますが、長く出し続けるのはなかなか難しいです。

これはこの形状に因ります。

横隔膜の中央に集まるような力を感じると声帯が閉じます。

もちろん声帯筋(a)が収縮すると声帯は閉じますので、

それだけでも良さそうなのですが、この時に声帯は縮まりやすくなります。

声帯を強く閉鎖させると声帯が縮んで喉っぽい声になってしまうので、

強い声も出したいけれどのそうすればするほど喉っぽい声になってしまうし、

きれいな声を維持したければ声量を控えるしかなく、どちらの選択も中途半端になってしまいます。

そこで横隔膜の中央の緊張が大切になります。

横隔膜の中央の緊張が声帯筋をしっかりと閉鎖に向かって動かしてくれて、

さらにこの時には声帯があまり縮まらないようになっています。

申し訳ないのですが、このしくみについてはよく分かりません。

解剖学の本に書いてあるものがあるかもしれないし、

もしかしたらまだ無いかもしれませんが、経験的にこの現象は知っています。

重いものを持ち上げるときや、つまずいた瞬間に横隔膜の中央に力が入ることは簡単に体験することが出来ます。

そしてその時に声帯が閉じることも分かります。

場合によってはその時に声が出ることもあります。

第5の原則です。横隔膜の中央が収縮すると声帯が強く閉じられる。

横隔膜の広がりと喉が開くこと

第5の原則で横隔膜の収縮を書きましたが、

収縮を無限に続けることは出来ません

ある程度で限界が来てこれ以上は収縮できないところに結構速く行き着いてしまいます。

しかしこの運動を息のある限り続けられる方法があります。

それは横隔膜が収縮するときに横隔膜が広がろうとすることです。

このことによりお腹はほとんど変化していないように見えながら、

中央の収縮と周囲の拡大が同時に感じられます。

横隔膜に関しては声を出しながら広がった方が良いという人がいる、

逆にだんだんしぼんでいった方が良いという人がいる、

そして変わらない方が良いという人がいます。

どれも正しくないように思えます。

正しく書くとすれば広がりながら収縮するということになります。

ではこの横隔膜の周囲が広がることが声帯にどういう影響を与えるのかということになりますが、

これは声帯の伸展につながります。

これに関してもどのようなしくみなのかは分かりませんが、

例えばあくびをするときに横隔膜は広がりますし、

その時の喉の奥が広がった感じとやや高めの声になることは簡単に体験できます。第6の原則です。横隔膜が広がると声帯は引き伸ばされる。

まとめ

呼吸に関して6つの原則を書いてみました。

  1. 息は流れ続ける必要がある。
  2. 息の量は少ない方が良い。
  3. 音の飛びと息の量は関係がない。
  4. 息は客席に届いていかない。
  5. 横隔膜の中央が収縮すると声帯が強く閉じられる。
  6. 横隔膜が広がると声帯は引き伸ばされる。

声楽の先生によっては呼吸法ばかり教える先生や、

逆に呼吸に関しては何も触れない先生もいます。

呼吸が正しく出来ると声帯の状態が良くなるし、

声帯の状態が良くなれば、良い呼吸になりますので、どちらも可能になります。

ただ生徒目線で考えると、呼吸の方がわかりやすい人もいるし、

声帯のコントロールの方が得意な人もいますので、どちらからでもアプローチできた方が良いように思います。


発声と呼吸法は密接に関係していますが、

実感しづらいところかもしれません。

レッスンではその一つ一つをしっかり実感できるように進めています。

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呼吸は常に意識した方が良いでしょうか。
その必要はありません。
必要があるときだけ考えれば良いです。
例えば自然に息が流れていかないときには息を深くためる練習が必要になるし、
音楽に感情が乗らないときには横隔膜の練習が必要になります。
そしてそれらがクリアされてきたら、全く考える必要はありません。
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