前回の長いフレーズを歌うでは無駄に息が漏れないような声門閉鎖が必要だという事を書きました。本来は正しい声門閉鎖を練習するべきですが、まだそれが出来てはいないのに、目の前の息の続かないフレーズをなんとかクリアしたい時の方法を考えてみます。
3つの方法を考えてみようと思います。一つは諦めないことです。精神論のようになってしまいましたが、息がなくなってもすぐに吸わずに最後まで歌おうとすることです。このことにより徐々にブレスコントロールができてくるだけではなく、ほんの少しの息でも音にすることができるようになってきます。長いフレーズの最後は、でているのかでていないのか分からないくらいの弱音で終わることが多いのですが、そのくらいの弱音まで使うことが1つめの方法です。続かないと思っている人の大半は息が残っているのに吸ってしまっています。
もう一つはテンポです。続かないと思っている人ほど、長いフレーズでテンポを遅くしていることが多いです。苦手意識が遅くしているのか、遅くなってしまうために続かないのかどちらかだと思いますが、続かない部分は決して遅くしない、もしくは変にならない程度で少し速くすることが必要です。大歌手であっても長いフレーズには苦労する人は多いものです。CD等でよく聞いてみると、長いフレーズで少しテンポを速めていることに気づくこともあると思います。
最後に長いフレーズをいくつかの部分に分解して、最後から練習をしていきます。苦しくなったまま何度も練習をしていると、苦しい記憶が残り、その部分が来ると自分から苦しくしてしまうようになりますので、楽に歌える記憶に書き換えます。最後の部分だけだと楽に歌えますので、そこだけを気持ちよく歌えるようにします。楽に歌えたら、もう少し前から始めてみます。苦しくならないように少しずつ前の部分を加えていき、最終的に全部つなげられるようにしていきます。決して急がず、楽に歌える状態までできてから前の部分を足していって下さい。結構良い練習ですよ。
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