前回移動ドについて書きました。固定ドはそれほど難しいテクニックは必要ありません。ある時期学校教育で移動ドが重要視されていたことがあるようで、学校によって、もしくは都道府県によっては移動ドをとても時間をかけて教えていたこともあるようです。これを経験した方は簡単なはずの固定ドに抵抗がある人も多いようでが、固定ドは簡単で便利です。固定ドの特徴をまとめてみます。
- ト音譜表の読み方に慣れれば、これだけでたくさんのことが出来ますので簡単です。
- ピアノ等楽器の演奏にそのままつながっていきます。
- 転調が把握できない状態でも音取りが出来ます。
- 簡単ですが調性の把握が難しくなります。
楽譜はそこに書いてある音符を読み取ることにより、曲を伝えることが出来るところに最大の特徴があります。しかし、実際は結構難しく、CD等を聞いてしまいがちです。しかし、本来は楽譜さえあれば、音源はなくても良いのです。それには音取りが必要になっていくのですが、その最初の目標は、楽譜に書いてある音符をピアノ等の楽器で演奏できることです。頭の中で音が分かれば良いのですが、これはさらに難しいので、まずは歌の部分だけピアノで弾けることが目標になります。すべての音符をすぐにドレミで言えて、さらにリズムが読めれば、後はそのタイミングで鍵盤を叩くだけです。固定ド読みできるということはこれが出来ることにつながっていきますので、どんなに複雑な曲でも、転調が多くても、さらには調性がなくても音取りが出来ます。
しかし、移動ドで読むほどには音楽の性質は分かりませんので、出てきた音を音楽的に感じられるように、自分で生きた音に変換する作業が必要になります。移動ドの場合は転調を把握し、正しく移動読みできるようになることと音楽を把握することが同時に出来ます。
もう一つ固定ドの良さに喉の絶対音感のようなものがあるように思います。ドはド、ラはラと言い続けますので、喉の感覚でなんとなく音の高さを覚えていきます。大体の音程が分かれば、あとはハーモニーに合わせると正しい音が分かりやすくなります。
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