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地声2~発声のしくみ 5

地声も良い声

 レッスンの中で、その声は地声だからだめだと言われたが、どうしたらいいのか、というような質問を受けることがあります。「地声1」で書いたように、このように表現される時の地声と胸声は、引き延ばしの筋肉の使われ方に差があるのですが、引き伸ばす筋肉が全く動かない声というのは考えられません。特に音程がある程度正しく歌える状態であれば少なからず引き伸ばす筋肉は動いています。ですから、今の声はすべてだめなんだと考えるべきではなく、何が足りないのかということを考えていった方が良いでしょう。

100%悪い声などありません。良くないと言われたり感じたりしても、すべてではないので、今の状態に何が加わればもっと良いのかを考えていきましょう。何を引くかではなく何を加えるかが絶対に大切です。

地声を嫌うことの弊害

 時々、特に合唱でソプラノを歌っている人に、低い音だけではなく、本来なら一番歌いやすいはずの中間音、五線の第2間のA(ラの音)付近の音が不安定に なってしまう声の方がいらっしゃいますが、地声を嫌いすぎるか、そのように言われ続けた人に多いようです。

地声を敵視しすぎるために起こる不幸です。何も言われなければもっと良く歌っていけたでしょうに、偏った考えでゆがんでしまった結果です。地声を使わないようにと引き算の考え方ですが、喉を開けることを加えようとした方が良い練習になります。

 ただし、うまく喉が広がっていない状態で、低い音を強く出そうとすると、他の人の声と溶けない声になりますので、合唱等では目立ってしまいます。低い声をしっかり出しながらも喉が開くように、発声の時間や、個人的に練習をしてから、試してみる方が良いかもしれません。 胸声についてもご参照ください。

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