レッスンで胸に息を吸ってはいけないとか、胸式呼吸はだめだとか言われているのに、テレビ等で名歌手達が歌う時に胸がぐっと上がるのを見て、矛盾を感じた事はないでしょうか?腹式呼吸をしなければならないし、そうするとお腹が膨らんで胸は上がらないはずです。
声を出す前に胸が高くなるのは、横隔膜が広がる時に起こる現象です。肋骨は鳥かごのような形をしていて、その一番下に横隔膜があります。横隔膜が広がるためには肋骨の一番下が広がる必要があります。肋骨の下部を開きながら横隔膜を広げられるでしょうか?出来る人はやってみてください。その時同時に胸がやや広がり持ち上げられ、さらにその中に喉が落ち着くような感じがします。
これが胸が上がって見えるしくみです。胸に息を吸った結果持ち上がるのではありません。このように外に現れる状態で良い悪いを考えると、間違った判断をしてしまうこともあります。
このことから逆に胸を持ち上げた方が良いと思って、そうしてしまうと、常に胸や肩に力が入り、堅く柔軟性の乏しい音になっていきます。自然な音を出そうとすることが最優先で、それが上手くいかないところを修正するのが正しい発声だと思います。
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