声の診断を録音に頼るのは良くない、といったことを以前書きましたが、それでもレッスンは録音すると有用なことがたくさんあります。先生に録音しても良いかを聞く必要はあるでしょうが、許可を頂いたら是非録音して下さい。
レッスンの中で先生は、生徒さんのその時の課題に有効な色々な方法から、発声メニューを作っていきます。さらにその状況に合わせて、使う音域を変えていったり、速さや間の取り方などを色々微妙に変えながら、その時にベストな練習を考えます。
レッスン中にその微妙な違いを把握でき、帰ってからも同じような練習ができるようでしたら、録音の必要はありませんが、どのような順序で練習したのかすら思い出せないことも多いですので、そのために録音を取るのはレッスンに集中するためにも効果的です。
時々、発声メニューをメモして行かれる生徒さんもいらっしゃいますが、文字情報に変えてしまうと、微妙な雰囲気をなかなか思い出せません。録音するのが一番簡単です。ただし録音で聞こえる音質をもっと良くしようと頑張らないことも大切です。どんな練習をどんな雰囲気でやったかのみを聴いていきます。
スランプの時などは、単純にレッスンの録音を聴きながら、全く同じ練習を数日繰り返すことも良いと思います。自分で色々工夫をすると、よりバランスがおかしくなって、さらにスランプが長引いてしまうこともあります。先生のペースに完全に寄りかかって、自分で手を加えないようにします。
あまりにも他力本願に見えるかもしれませんが、音楽家にとってこの能力はとても重要なものの一つです。
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