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音取りの苦手な方へ~レッスンで感じること

音取りの早い人と遅い人

新しい曲の音取りに関しては早くできる人と、とても時間がかかる人に分かれます。これは仕方のないことで能力というわけでは無く、これまでの環境が大きく影響します。高校の時の同級生の話ですが、小学生の頃毎朝聴音の時間があって、全校生徒が取り組んでいたそうです。おそらくこの学校の卒業生はほとんど全員音取りが早いのではないかと思われます。それとは逆に音楽の時間でさえ楽譜を見ることは少なく、ほとんど耳で覚えてそれを頼りに歌ったり、演奏したりしていると、音取りはとても大変なことになります。さらに頭が良いかどうかも関係ありません。とても優秀な人で音取りにとても苦労される方も時々います。とにかくこれまでの環境ですので、ラッキーにも音取りが早い人はそれ以外のことに注目していけば良いし、苦手な人は1つずつクリアしていけば良いです。

音取りとは

音取りはまだ歌えない曲を歌えるようにすることだというのは明確ですが、もう少し考えてみます。当然のことですが音程とリズムを正確に再現できれば音取りは完成です。しかしそうでも無いというところから。

楽譜を読むということは本を読むことととても近いように思います。本を読むときに正確に文字を読めればそれで良いようにも思えますが、全く意味が頭に入ってこないこともあります。それでもう一度少し前から読み直してみる。そうすると文章の切れ目や言葉そのものの勘違いが修正できたり、複雑な構成が理解できたりして分かる文章に変わっていきます。ここで初めてその本が読めたことになる。これが音取りだと思います。

そして文章の意味が分かった後ももっとしっかり読んでいくと文章の奥に隠されていたものが見つかることもあります。行間を読むと言ったりもしますが、書かれていないものまで読むことになります。後半の内容は音楽解釈につながっていきますので、ここでは触れません。前半の文章が理解できるまでが音取りだと思います。リズムと音程だけ分かっても文章の意味のようなことが分からなければ音取りは終了しません。

では音楽で文章の意味が分かるような状態は何なのかということになります。音楽の場合理解できたかどうかの判断は難しいです。理解できたかどうかの判断の一つは記憶に残るかどうかだと思います。記憶に残る音楽になっていれば再現することが簡単になりますし、正しく記憶に残っていれば間違えたときにすぐ気付きます。

記憶に残る音取りのために

ややこしく書きましたが、音取りは記憶に残る音楽になれば良いと言うことなどみんな知っていることです。ただ、音取りの基本はリズムと音程を読むことにあるのは変わりません。音取りの苦手な人も白い音符は長い音だし旗が増えてくると短い音符になる位のことは知っているでしょうし、音の高さも上に行くほど高い、さらには時間はかかってもすべての音をドレミで読むことも出来ることも多いかと思います。しかし、音符から正確なリズムを読むことが難しかったり、時間がかかってしまったり、またドレミが分かったところで音の高さとは直結しないので、楽譜から音楽を読むことよりももっと手軽な方法に頼りがちになります。そこで音取りの苦手な人はほとんどの人が経験があると思いますが、録音に頼ることになります。そこではもう既に分かる音楽になった演奏が収められているので、聞いて覚える方が手っ取り早いからです。

音取りが上手くいかないときの問題点

最終的に上手く歌えれば良いので、音取りが上手くいかなくても不便ではあってもそれほど大きな問題は無いようにも思えますが、そうでもありません。

  • 新しい曲の練習に時間がかかってしまう。
  • 間違ったリズムや音程の修正が難しい。
  • たくさんの曲の勉強が出来ない。
  • 自信を持って歌えなくなる

音取りは音程とリズム

当然のことですが音取りは音程とリズムを把握する作業です。ただしそれによってメロディーの性格がつかめないと定着しない(記憶に残らない)ので、それも含めて音取りになります。楽譜を読むことは本を読むことと似ていて、文字を正確に読む作業が大切なのですが、言葉の句切りやイントネーションが把握できて初めて文章が理解できるようになります。音取りもそこを目指していきます。しかしながらとりあえず音程とリズムの2つです。そして苦手な人ほどリズムと音程を別の作業として練習した方が良いのですが、どうしても同時に行おうとします。しかし音取りが苦手な間はリズムと音程を極力分けて練習することもおすすめします。

メロディーの性格をつかむ

ある程度曲が記憶に残ることが音取りなのですが、ある程度というのが問題で、間違ったリズムや音程があってもある程度曲を把握することは出来ます。そしてこのある程度が出来ると音取りが出来たような気になってしまうものです。この繰り返しの中で正確な演奏はどこかに行ってしまい、長々と音楽に触れているにもかかわらず、音取りが難しくなってしまいます。そのため曲を把握するといった最終目標を一旦忘れることにします。そして、リズムだけ正確に取ることに専念します。

楽譜をよく見る

音取りが苦手な人はとりあえず目の前の楽譜を音にすることで大変だと思います。しかし、少し遠回りすることで格段に楽譜が読めるようになる方法があります。古典派の作曲家のピアノの楽譜(歌の楽譜だと歌詞を見てしまいますのでピアノが良いです)を用意します。例えばモーツアルトのピアノソナタアルバム等。そしてYouTubeやCDで楽譜を見ながらひたすら曲を聴いていきます。最初は途中でどこを弾いているのか分からなくなったりするかもしれませんが、慣れてくると最後までたどっていくことが出来るようになります。ソナタアルバムの曲を数曲最後まで楽譜を追っていけるようになったら、楽譜を読む力は格段に進歩しています。ぜひ試してみてください。