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音程3~発声の目標 17

音程が定まらない

 前に音程が下がるケース、上がるケースを書きましたが、音程が定まらないケースもあります。音程をキープできず、大抵ひどい揺れを伴い、どちらかというと低くなることが多いです。

精神的にもつらいことがある

 一番やっかいな状況ですが、音程で困っている方には一番多いケースです。基本的な発声バランスが崩れていて、頑張っても、集中しても、気をつけても解消しませんので、この状態で音程を無理矢理修正するのは酷なことです。  本人が一番苦しく感じていますので、どうか指導をされる方、指揮をされる方は適切な解決方法を提示しつつ、決して追い込まないようにしてもらいたいものです。

 この場合、喉は声帯の状態を安定させられずに、不安定に揺れています。喉の周辺の筋肉と横隔膜等の呼吸筋の連動が取れず、安定させようとしてもどのように力を入れたら良いのか分からずに不規則な揺れになってしまうわけです。

根気強いリハビリが必要

 この状態を修正していくのは根気強いリハビリのようなことが必要です。無理矢理揺れを止めようとしてもなかなかうまくいかないし、多少改善されたように見えても、力で揺れを止めていたのでは、必ずほころびが出てきます。 大抵dim.(だんだん弱くする)事が出来ず、表情が付かなくなります。 そのまま続けていくと、一息で歌えるフレーズが短くなって、頭声がなくなってしまいやすくなります。(声帯を伸展させる機能がほとんど働かなくなった状態です)

横隔膜と音の連動

 解決のためには横隔膜と喉の筋肉の連動を見つけることが先決です。このことは難しく見えますが、実はそれほど難しくありません。日常生活でこの連動を確認することが出来ます。例えば重いものを持ち上げる時、つまずいた時に声が出ますが、お腹の中心に瞬間的に力が入って、喉が閉じ声が出てしまいます。この時に正しくお腹と喉の連動が起こっていますので、この状態を見つけていくことで喉とお腹のつながりを確認できます。

 具体的な練習方法を書き言葉だけで伝えるのは難しいので、このくらいにしますが、喉とお腹の連動を見つけて、それを少しずつコントロールできるようにすることでだんだんとこの状態から抜け出せます。 ただ、根気強いトレーニングが必要ですので、リハビリだと思って練習を続けて下さい。

丁寧な練習が必要

 繰り返し書きますが、この時にビブラートが邪魔だから何とかしなさいとか、歌わないで口パクだけしていなさいとか、色々と言われたというのを聞いたことがありますが、ますます自信がなくなり、筋肉が萎縮してしまい状況は悪い方に進んでいきます。よく分からなくても、「今発声のバランスが少し崩れているから、もう一度見つけていこうね。」ぐらい言えるゆとりがほしいものです。

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