音楽は緊張感の移り変わりで捉えると理解できることがたくさんあります。拍子が存在するのも緊張感の変化の規則性によります。強、弱、強、弱、のように一つおきに強弱が変化すると2拍子、強、弱、弱、のようになると3拍子、ソナタ形式の音楽では展開部が一番緊張が高くなるし、和声では属和音(ハ長調ではソシレの和音)が緊張が高く、主和音で落ち着きます。
緊張のある音を強く、そうでない音を弱く演奏することで表情を付けることのきっかけを感じられ、どんどん音楽が楽しくなることもありますので、緊張のある音の見つけ方をまとめてみます。
拍子のアクセントは常にあり続けますので、各小節の最初の音はいつも少し強いと思って下さい。高い音も強くなります。さらに、今歌っているフレーズの最高音と、次のフレーズの最高音を比較して、次のフレーズの方が高ければ次のフレーズをより強く演奏します。長い音は短い音よりも強くなります。他にも和声的なもの、シンコペーション等でリズムを変化させたもの、跳躍の大きさ、装飾の付けられた音等、色々な要素がありますが、まずはの3つの要素、小節の最初の音、高い音、長い音に注目してみて下さい。
さらに例外もたくさんありますので、最後は自分の感覚で判断することになりますし、どのくらい強くするのかも大事です。例外の一つに、フレーズの最後の音は長く書かれていることが多いですが、その音を強調するために長い音が使われているのではなく、動きがなくなっていくことによる長い音ですので、少し意味合いが違います。もちろん弱くなっていきます。
緊張感のある音、少し強く演奏する音、大事な音、これらは同じ事を指しますが、そうすると、それ以外の音は大事ではない音になってしまいそうですが、弱い音が安定しているからこそアクセントが生きてきますし、場合によっては、弱くなった時に逆により音楽が心にしみることもあります。
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