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「あごの力を抜いて」で改善しない理由~発声に必要な筋肉を考える

【まとめ】発声の常識を考える
発声の常識に関するまとめ記事を作ってみました。
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あごに力が入る

あごに力が入っている」と感じたり、

言われた経験のある方は結構多いのではないかと思います。

あごの力を抜くことは大切なことだと考えがちですが、

あごの下の筋肉も発声ではとても大切な筋肉です。

ちなみに舌の根っこを下げるとか、

舌が硬い、舌が奥に入っている、舌を平らに、

などは全く同じ現象です。

甲状舌骨筋

力が入っているという以上は筋肉と言うことになりますが、

おそらくこの場合甲状舌骨筋を指すと思われます。

下顎と甲状軟骨をつなぐ筋肉です。

発声のしくみ1に図を載せています。

音を高くするときに甲状軟骨は輪状軟骨の方に

つまり下向きに傾く必要があります。

このときに甲状軟骨を下向きに引っ張る力、

輪状甲状筋や胸骨甲状筋が働きます。

そしてこれらの筋肉に対して上向きに引っ張る筋肉が舌骨甲状筋になります。

下向きの筋肉しかなければ、

甲状軟骨は下向きに引っ張られっぱなしでコントロールできませんので、

当然上向きの力、舌骨甲状筋もとても大切なのです。

【NEW】顎に力が入るしくみ

Chat-GPTで喉頭周辺の画像を作りましたので、

図を使って説明をします。

声帯は甲状軟骨の中にあります。

この声帯を引き伸ばして高い音のための声帯を作りたいのですが、

骨に囲まれているために前後に引っ張っても伸ばされません。

そこで甲状軟骨の前側を少し下向きに傾けていきます。

そうすると声帯がやや斜めになって伸ばされることになります。

これが喉を開ける=声帯の伸展のしくみです。

この時に輪状甲状筋が収縮する必要があります。

しかし、このシステムが正しく機能しないと、

それでも甲状軟骨を傾けない限りは高い音はいっさい出せないので、

別の方法を使って甲状軟骨を傾けていきます。

ここで甲状舌骨筋が出てきて、

本来ならばこの筋肉は輪状甲状筋が甲状軟骨を下に傾けるときに逆に上に引っ張って、

つまり上向きに力を加えることで、

傾きをコントロールする役目を持っているのですが、

輪状甲状筋が弱いと、

甲状舌骨筋が甲状軟骨を押し下げるように働きます。

本来は引き上げる筋肉なのに、

押し下げるように使われます。

これが顎や舌に力が入るしくみです。

この状態で顎や舌の力を抜いたとして、

たまたま輪状甲状筋が動いてくれれば上手くいきますが、

そうでなければ、今まで出せていた高音が出なくなります。

あごの力も必要

結論から言うと、顎の下の力も必要なのです。

全くない方が良いものではなく、他の筋肉同様正しく、

バランスよく使われることが必要なのです。

では良くないとされる「あごに力が入る」とはどういうことなのでしょうか?

高い音を出すためには甲状軟骨はどうしても下に傾かなくてはなりませんが、

下向きの筋肉の力が十分ではないときに

舌骨甲状筋が上から甲状軟骨をおさえてしまうのが

「あごに力が入る」といわれる状態です。

つまりあごの力が問題なのではなく、

下向きに引っ張る筋肉が正しく動いていないことが原因なのです。

舌骨甲状筋が過度に働かなくてはいけなくなってしまっている人の発声を調整するのは

決して難しいことではありませんが、時間のかかる作業になります。

諦めずに練習し続けることが必要になります。

でもクリアできると、さらに高い音が出せる可能性が出てくるし、

小さい音が使えるようになるし、音色の変化が可能になってきて、

表現の可能性が広がっていきます。

必要な筋肉を使う

練習ではあごの力を抜くことではなく、

下向きの筋肉を使うことが大切なのです。

発声のためにはいろいろな力を入れなければならないのですが、

なぜか力を入れることよりも、

力を抜くことが重要視される傾向にあるようです。

しかし、輪状甲状筋や胸骨甲状筋が正しく動き出せば、

顎の力は抜こうと思わなくても、

正しい舌骨甲状筋の動きに変わっていきます。

このときにも、正しく顎に力が入りますので、

本当に力を抜いてしまうのは正しくありません。

脱力を考える必要はあるのか?

生徒さんにも「顎に力が入っている」といわれるだろう状態でいらっしゃる方は結構多いです。

レッスンでは一切あごの力を抜くように指示したことはなく、

必要な筋肉を使う練習のみやっていきます。

すぐ出来る方も時間がかかる方もありますが、

結果皆さん問題なくなっていきます。

あごの力を抜いて歌おうと思う努力は必要ないように思います。


発声では、「力を抜く」だけではかえって不安定になることもあります。

実際には、必要な筋肉の働きと過剰な緊張を区別しながら調整していくことが大切です。

久米音楽工房では、声の状態を実際に確認しながら、

一人ひとりに合わせて発声を整理しています。

高音が苦しい、あごが固まる、音の伸びが悪いなどでお悩みの方は、

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