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発声練習は積み重ねが難しい事について~練習の目標33

 通常勉強する時には簡単なところから一つずつクリアしていきます。例えば数学の勉強では、まず数字を把握するところからはじめり、足し算、引き算と進んでいき、すべてクリアしながら進んでいければ、方程式や微分積分の問題に取り組んでいくことが出来ます。上手くいかなければどこで分からなくなったのがたどっていくことにより、確実にすすめていくことが出来ます。発声練習でも積み重ねをしていきたいのですが、難しいものです。

 積み重ねの練習が難しいのには理由があります。声を出すには特別な良い声でなくても発声に必要なものがすべて使われなくてはなりません。例えば、まず横隔膜の練習をする、それが出来たら喉を開ける練習をする、上手くいったら声帯を閉じる練習をするといった具合に1つずつの練習が出来ません。横隔膜の練習をしたければ、喉がしっかりと開いて、さらに声門閉鎖も無理なく出来ていなければ全く練習になりません。ただこれは発声に限ったことではなく、大抵の練習が必要なものの共通の問題です。

 それでも積み重ねのある練習をしたいものです。でないとたまたま良い声が出たとか、よく分からないけど今日は上手くいかないとか、確実なものがなくなってしまいます。実はこれに関しては良い方法があります。例えば横隔膜が良い働きをしている時には、それに伴い声帯の伸展筋と閉鎖筋が同時に動きます。これを横隔膜と喉の関係性から見つけていくのです。横隔膜に集中した練習をしながら喉の観察をします。喉が広がり少し高めの音が出しやすくなったら伸展筋が正しく動いていることになりますし、音に密度が出てきたら閉鎖筋が同時に動いていることになります。つまり個別の練習に集中するのではなく、それに関連して起こる現象に注目して判断していきます。横隔膜をそれのみで判断しようとすると、いつもくらい力が入っているかとか、いつもの方向で使われているかのような判断になりますが、判断にミスが起こりやすく、もっと良い状態にしたい時に強くすれば良いと言うことでもないので、進歩させづらくなります。

 関係性の中から判断していくのは色々なところで有効なものの見方だと思います。ある状況でとても有効だった方法が別の状況になったら全く役に立たないこともあります。しかし、その状況ととった方法の関係性が見えてくると本当に必要なものが見えてくることもあります。

 積み重ねが感じにくい発声の練習で積み重ねが感じられるようにすすめていくことが発声練習では一番の力になっていくところだと思います。

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