私は以前、器楽(ユーフォニアム)を演奏していました。最初は吹奏楽部の優しい先輩方が、色々と教えてくれました。とても楽しい思い出です。きっとこれが、今私が音楽の世界にいる一番最初のきっかけだったのでしょう。
管楽器は音を出すことがとても難しいので、最初はとにかく音を出す練習。それから少しずつ音域を広げ、音階が吹けるようになってやっと、簡単な曲を練習 し始めました。その頃になって初めてアンサンブルに参加でき、そのうちに、コンクール、定期演奏会と音楽にどっぷり浸った学生時代を迎えることになってい きました。
声楽の場合、器楽演奏のような、”まず音を出せるように練習をする”という必要はないので、全員に共通の初めの段階というものがありません。そればかりか、誰でも、もうすでにとても良い声(可能性のある声)を持っています。
ということで、生徒さん一人一人にそれぞれ違ったスタートがあります。いきなり結構難しい曲を歌われる方(今はカラオケにオペラのアリアなども入ってい るようですね。それを利用して、結構高い音が出てくるアリアを独学で歌っていらっしゃっていたようです。)もいらっしゃれば、曲を歌うよりもとにかく声の 勉強をしたいということで、発声の練習を中心にされる方、また、目標もそれぞれなので、イタリア語の歌曲から始ねたり、ドイツ語の歌曲だったり、日本の歌 だったり、ミュージカルだったり、役者を目指している方だと、台詞の朗読をやったり、とにかく様々です。
最初のレッスンの時は、興味半分、緊張半分で皆さんいらっしゃいます。(こんな緊張も良いものだとも思います。大きな失敗をしても誰にも迷惑をかけないので・・・)
しばらく、話をした後、少し声を聴かせて頂いています。まずはピアノと同じ音程の音を出す事から始まりますが、初めは戸惑う方や、違う音程が出てしまう こともあります。しかし、これは全然問題ではなく、少し声を誘導していくと確実に正しい音程を出せるようになります。
出しやすい音から初めて、高い音、それから低い音へと移っていきます。これでその人の音域と、声の長所(誰もが声の長所を持っています。自分の声は好き ではないとおっしゃる方も多いのですが、すべての方にそれぞれ良いところがあるものです。その良い部分に磨きをかけていくのが、発声練習なのかもしれませ ん)などが分かりますので、それをもとにこれからのレッスン計画を立てていきます。計画といっても、まだこの段階で、長期の計画が立つものではないので、 とりあえずどのような方向から始めていくかといった感じです。
また、生徒さんがどのような歌を歌いたいか、などの希望もその時に十分に話をさせて頂いています。希望のものにすぐ入っていくこともあるし、しばらく他 の練習をしてから、希望のものに向かうこともあります。(無謀かもしれないと思っても、希望のものがある方はどうぞおっしゃって下さい。今は難しくても、 何とかそこにたどり着けるようにと思うことは、私にとっても、生徒さんにとっても良い目標になります。)
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