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Die Stille(静けさ)~シューマン 5

Die Stille

Es weiß und rät es doch keiner,
Wie mir so wohl ist,so wohl!
Ach,wüßt es nur einer,nur einer,
Kein Mensch es sonst wissen soll!

So still ist’s nicht draußen im Schnee,
So stumm und verschwiegen sind
Die Sterne nicht in der Höh,
Als meine Gedanken sind.

Ich wünscht’,es wäre schon Morgen,
Da fliegen zwei Lerchen auf,
Die überfliegen einander,
Mein Herz folgt ihrem Lauf.

Ich wünscht’,ich wäre ein Vöglein
Und zöge über das Meer,
Wohl über das Meer und weiter,
Bis daß ich im Himmel wär!



静けさ


誰も知らず、誰も察することが出来ない、
私がどんなに心地良いかを。
ああ、たった一人の人が知ってくれさえすればいいのに、
他の誰にも知らせたくない。


外で静かに降る雪でも、
そんなに静かに口をつぐんではいない、
空高く輝く星でも、
私の想いほど高いところにない。


(シューマンはこの第3節を省略して、第1節を最後にもう一度繰り返しています)
もう朝だったらいいのに、
その時、2羽のヒバリが舞い上がり
お互いに飛んでいく
私の心も彼らについて行く。


私が鳥だったらいいのに、
そして海の上を飛び、
海の彼方まで飛んでいき、
天に昇れたら良いんだけれど。


あふれる想いを心の中にとどめた結果の静けさ

 心の中にはあふれるほどの想いがあるのですが、それをしっかり心の中にとどめています。そして静けさを守っているのですが、この想いが自由に飛び立つことが出来ればと願います。

 前の曲のホ長調から同主調の平行調であるト長調になります。とても明るい調性です。曲は3部形式で、スタッカートが印象的な最初の部分の後、少し速い中間部になります。そしてまた最初の部分が戻ってくるという比較的単純な構造になっています。

押さえられた想いのスタッカートとそれがあふれ出たレガート

 心の中にとどめられた喜びは、スタッカートの音の中で大事に隠されます。それでもメロディーはそれを歌にしようとするのですが、すぐに遮られてしまいます。(3小節目、8小節目)
 7小節目で属調のニ長調になるのですが、前の曲のように、第2節の歌詞(静けさを歌う部分)を歌い出したら、2度ずつ下降する転調が出てきます(dmoll, C dur, B dur)
 そして17小節目、いきなり想いは想像の中で飛び出します。テンポも速くなり、あふれ出てしまった想いのレガートと、心臓の鼓動のようなスタッカートが交互に並びます。しかしこれもすぐに消え、また最初のように隠された喜びを歌っていきます。

 複雑な和音や転調もあまりなく、大げさなところの無い曲ですが、とてもかわいらしい1曲です。

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