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拍子を考える

拍子は分かりやすい

音楽の中で調性や和声などの音程の構造は難しく感じるかもしれませんが、拍子は割とわかりやすいと思います。今回はその拍子について考えてみます。

拍子感のある演奏と無い演奏では結構な違いが出てきます。そして拍子は基本的に2拍子か3拍子です。それ以外は2拍子と3拍子の複合かもしくは特別な場合のみです。これに関しては後述します。楽典的には2拍子は強、弱。強、弱。・・と繰り返されるものであり、3拍子は強、弱、弱。強、弱、弱。・・・と繰り返されるリズムのことです。つまり1拍目に常にアクセントがあるということですが、音楽を聴いていてそんなに1拍目にばかりアクセントを感じることはないと思うこともあると思います。

拍の性格

繰り返しになりますが、拍子を感じている演奏と感じていない演奏では明らかな違いがあります。前奏や間奏のあとの歌の出だしを間違えると、出落ちしたと言われたりしますが、例えば3拍目から出るときに、拍子感のある人は1小節早かったり遅れたりはしても3拍目から出ますが、拍子感がしっかりしていない人は2拍目から出たり、1拍目から出たりすることもあります。つまり強弱だけで表現できるものではないものの、1拍目とそれ以外では違った性格があるということです。オーケストラで50小節休みがあってその後出なければならない曲があったとします。4拍子の曲だとしたら、1234,2234,3243,4234,5234といった具合に50小節数えることになりますが、慣れないと途中で分からなくなったりもします。でも拍子感があると少し分からなくなってしまっても、1拍目だけ50回カウントできれば出落ちすることなく演奏できます。

1拍目の感じ

1拍目はどんな感じなのかを言葉で表現するのは難しいのですが、例えば一本締めで「ヨーオポン」のタイミングで手を叩くとします。この手を叩く感じが1拍目になります。手を叩くのでアクセントになりますが、手を叩かなくても全員で手を叩くタイミングを共有できます。そして手を叩きたくなる感じとそうではない感じが1拍ごと交互に出てくると2拍子ということになりますので、アクセントにしなくても良いのです。そして拍子感のある人は前奏を聴いているときも、歌っているときも、苦しい音を歌っているときでさえこの1拍目を常に感じています。

ですので拍子感がある人は1拍目に毎回手を叩くことが簡単にできますが、まだ拍子感がしっかりしていない人は油断すると1拍目に手を叩けなくなったりします。集中しなくても簡単にできるということが大切です。そしてこの1拍目の感じが1拍おきにあれば2拍子、2拍おきにあれば3拍子になります。

その他の拍子

4拍子:4分の4拍子を例に取ります。4分の2拍子だとしたときの1拍目2拍目の揺れ2分音符で考えたときの大きな1拍目2拍目の揺れが同時に起こってきます。楽典では強、弱、中強、弱と表現されたりもします。

5拍子:3拍子と2拍子の複合になります。ほとんど3拍子、2拍子の順番で、2拍子、3拍子になることはほぼありません。理由は簡単で、3,2は安定しますが、2,3は不安定になるので曲としては3,2が使いやすいからです。

6拍子:ほぼ3拍子が2つです。つまり3連符2つといった拍子になります。一番良く使われる8分の6拍子は1小節に8分音符が6個入りますが、3つずつに分けて1拍目と4拍目にアクセントが来ます。4分の2拍子にして3連符で書いても同じなので、この2つには差はありません

2拍子を3つということも出来そうですが、ほぼありません。例えば4分の6拍子で4分音符6個を3,3に分けずに2,2,2に分けたいとしたら、2分の3拍子にします。2,2,2との差別化もあるのかもしれませんが、6拍子は必ず3,3です。

その他:9拍子、12拍子も時々あり、3,3,3と3,3,3,3になります。6拍子の延長です。それ以外もありますが、極端に少なくなります。そしてやはり2拍子と3拍子の複合になりますので、それぞれで考えてみると良いでしょう。

3拍子

1拍目は強拍だと言われますが、強いとは限らないという話をしました。例えば到達点、始まり、一瞬立ち止まりたい音、長く伸ばしたくなる音、一番高くしたい音、等など色々と感じられると思います。しかしややこしいので便宜上1拍目を強拍ということにします。2拍子は強拍と弱拍が交互ですので問題は無いのですが、3拍子だと弱拍が2つ続いてしまいますので、2拍目と3拍目の弱拍にも性格の違いが出てきます。2拍目は1拍目の強拍の余韻の弱拍ですが、3拍目は次の1拍目を予想させるために動きのある音になります。よく日本人は3拍子が下手だと言われたりしますが、この3拍目の動きの感覚が欠けてしまうと3拍子らしい音楽にならないことが原因です。

3拍子についてもう一つ

曲のテンポはアクセントと次のアクセントとの間隔で感じられます。ですので、同じテンポでも2拍子と3拍子だと3拍子の方が1音増えるために速く感じられます。古い音楽では最初の部分があって、少し違った真ん中の部分があり、最後にまた最初に戻るような3部形式の曲がたくさんあります。ダ・カーポ形式とも言われます。そして真ん中の部分だけ速い曲にしたい場合、そこだけ3拍子にするケースがたくさんあります。アクセントの間隔での曲想の違いを使ったものです。そしてその逆も考えられて、遅い3拍子の曲の場合アクセントから次のアクセントにかけて2拍子よりも時間が必要なため、さらに遅く感じられます。とてもゆっくりな音楽にもよく使われます。