前回は声の使いすぎでかれてくる時の話をしました。今回は息の使いすぎでかれてくる時の話をします。喉に負担をかけないように、ひそひそ話をするように息っぽい声で長く話をしていると、大きな声を出しているわけではないのに、声がかれてきてしゃべりにくくなることがあります。
声帯はいつも湿っているのですが、息っぽいしゃべり方や、歌い方を続けていると乾燥していきます。この状態も喉に悪く、声がかれてきたり、出しにくくなっていきます。風邪をひいている時も、息の多いしゃべり方や歌い方をせずに、しっかりと支えをキープして、あまりたくさん息が出過ぎないように声を使っていく必要があります。
また、大きな声を出すために、お腹にためた息を、お腹から出来るだけたくさん押し出した方が良いといった話を良く聞きますが、これは全くの嘘で、たくさん息を出すことで大きな声を出そうとすると、喉を痛めやすいし、声は叫んだような汚い声になってしまいます。また長いフレーズも歌えなくなるし、表情の変化も付けにくくなります。全く良いところのない練習ですが、腹式呼吸といった言葉のイメージがお腹に息をため、さらにお腹から押し出すと考えられてしまったのだと思います。
歌う時に息が感じられることはとても大切なのですが、息混じりに歌うということではありません。しかし、実際に練習していくと、息に乗った声と、息混じりの声を正しく区別して、正しく練習を進めていくことはなかなか難しいことです。
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