楽譜上のアクセントの話です。
アクセントにはいろいろな書き方があります。
通常の>や∧だけではなく、sf,sfz,fz,fp等本当にいろいろです。
種類がいろいろあると演奏法をどう変えるかが問題になったりもします。
どれがより強いとか、フォルテピアノだと強く出した後すぐに弱くするとか、
楽典の本にもそのような記述を見ることがありますが、あまりおもしろくない。
たしかに>より∧の方がより強いというのは確かです。
しかし、他のところでも書いているように、
似たものがあるとその違いに注目しがちですが、
共通点の方がよっぽど大切です。

アクセントの意味は「その音を他に比べて強く演奏する」ですが、
つまりは他の音よりも印象深く演奏してほしいと言うことです。
ではどのような演奏が考えられるでしょうか。
音の立ち上がりを強くと言うのが一般的なアクセントの印象だと思いますが、
特に声楽ではあまり多用されません。
歌の持つカンタービレな要素が失われるからです。
このほかにアクセントの演奏法を考えてみます。
他の音よりもその音の強い部分を長くする、音量を少し膨らます、
音の始まるタイミングを少し遅らせる、少しその音を長く演奏する、
声楽の場合子音をいつもより長く演奏する、等々いろいろと考えられます。
オーケストラの演奏で、アクセントの演奏をする場合、
指揮者のタクトのタイミングよりずっと遅れて音が始まるのに違和感を感じた経験のある方も多いと思います。
時間のアクセントは音楽の深みを増してくれます。

記号によりどんな演奏をするかと考えるより、
多彩な演奏の可能性から、その曲のその場所にふさわしいアクセントを見つける方が、
演奏はずっとおもしろくなると思います。
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