発声では「喉を開く」という言葉がよく使われますが、
実際には見た目で判断できるものではありません。
喉が開くということは声帯が適度に伸ばされていることを指します。
今回はさてこれをどう判断するかということについて書いてみます。
まず声帯が引き伸ばされるしくみについてもう一度書いておきます。

上の図はのど仏を横から見たものです。
まず黒の実線だけ見てください。
上の大きな骨が甲状軟骨、
下のやや小さな骨が輪状軟骨です。
甲状軟骨の中央よりやや下にまっすぐ書かれている線が声帯になります。
この声帯が伸びたり縮んだりするのですが、
骨に囲まれていて容易ではないことが分かると思います。
そこで次のようなしくみで声帯は伸展されていきます。
黒の実践の状態から、
甲状軟骨と輪状軟骨が近寄る方向に動くと赤の点線のようになり、
その結果声帯が少し伸ばされます。
つまり声帯が少し傾くことにより喉が開くということになりますので、
高音で声を立てるとかチェンジが回転方向に感じられることが理解できると思います。
上の図の甲状軟骨と輪状軟骨の間には少し隙間があり、
これは指で触るとはっきり分かります。
この隙間が小さくなる方向にこれら二つの軟骨が動くことによって声帯が伸ばされるのですから、
触ってみたら分かりそうなものですが、
触っても全く分かりません。
また鏡で見ても分かりません。
またのど仏を下げるように言われることもありますが、
のど仏の位置と甲状軟骨、輪状軟骨の近づくこととは無関係なので、
のど仏の位置は喉が開いているかどうかには関係がありません。
こうなると見た目では喉が開いているかどうかの判断は出来ないことになります。
見ても触っても分からないとすれば、
音で判断するしかないのですが、
音色で判断というのはなかなか難しいところもあります。
強く音が出ていると喉が開いていないと思うかもしれないし、
逆に息っぽい音の場合は本当は喉が開いていないにもかかわらず開いているように感じることもあります。
そこで音の通り道を考えてみます。
声帯が引き伸ばされると声帯の一番後ろと前にも振動を感じられます。
その結果声帯の後ろを通る音の流れや声帯の前を通る音の流れを感じることが出来ます。
後ろを通る音は鼻のあたりに通り道を感じることが出来ます。
鼻の付け根と良く表現されますが、眉間に近いところです。
前の通り道は鎖骨の間に感じられます。
こちらの方が難しく、きれいに喉が開かない人はこれが上手くいかないことが多いです。
鎖骨の間からきれいに音が流れず、引っかかったような感じになります。
この二つの通り道を確認することが、歌の練習の第一歩です。
レッスンではこの二つは常に観察し、
大きな問題があればまず最初に取りかかる課題になります。
レッスンではのど仏を下げるとか、
口を縦に開けるとかの見た目ではなく、
音の変化で開いた喉を確認していきます。
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