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変化について 音楽について 13

強弱の変化

 前回の「表現について」で表現の基礎は変化だと書きました。演奏においての変化は強弱、テンポ、音色などが考えられます。すべて大事なのですが、まず強弱を考えてみます。
 音符以外で楽譜に書き込んであるものは、強弱記号が圧倒的に多いです。次はテンポになります。その昔は強弱記号等の表情記号は楽譜上に書いてありませんでした。作曲家が楽譜に表情記号を書き出したときに、強弱記号が多く使われたのは、それが一番大切だということかもしれません。

 しかし、ここでフォルテは強く、ピアノは弱く歌いましょうというつもりはありません。フォルテが何小節か続くときにずっと同じ大きさのフォルテで歌ったとしたら、それはそれで変化がなくなってしまいます。フォルテはフォルテの中で変化をつけ、ピアノはピアノの中で変化をつける必要があります。 

音楽と強弱

 どのように強弱をつけたら良いかを考えていきます。例外もありますが、まず高い音を強く低い音を弱くします。1つのフレーズに高い音に向かう流れが1つの時には一つの山が出来るように強弱をつけ、高い音に向かう流れが2つの時には2つの山が出来るように強弱をつけます。2つ以上の山があったときにその2つに高低差があったらそのままより高い山、少し低い山に聞こえるように山の部分で強弱の差をつけます。
 これだけだと辻褄が合わないことも出てきます。他の視点も見てみます。歌の場合言葉がありますし、言葉にはアクセントがあります。単語ごとのアクセントと、文章としてのアクセントの視点で見てそのままアクセントの音を大きく、逆にアクセントがないところを小さく歌います。
 さらにもう一つ。音楽には拍子があります。4拍子だと1拍目にアクセント、3拍目に少し小さいアクセント、残りは弱拍、3拍子は1拍目にアクセント、残りは弱拍になります。
 これらの3つがすべてつながるところは間違いなくアクセントをつけると良いでしょうし、ずれるところはどれを生かしたら良いかを考えていきます。

個性的な演奏は良い?~音楽について69

最小単位の強弱

 言葉単位で見ると多くは2~3音ですので、最小単位での強弱になります。次は一息で歌える長さでの強弱、それから、数フレーズまとめての強弱、曲全体の強弱等色々な観点で考えられます。強弱だけで随分と曲が分かるようになります。
 少し難しくなりますが、拍子のアクセントの場合、強拍のアクセントは安定を伴うことが多いです。その反対に弱拍は不安定になることもあります。この不安定な部分が曲の動きを作っている場合は、逆に弱拍がやや大きくなり、強拍は安定するものの弱くなることもあります。
 原則はあくまでも原則ですので、違和感があれば大胆に発想を変えることも大切です。

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