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エスプレッシーヴォ

 前回カンタービレの歌うことの意味合いについて書きました。今回はエスプレッシーヴォに集中して見てみます。これらの記号を初めて見た時に少し違和感を持ったのを覚えています。これらの記号のあるところを表情を持って演奏するということは、他の部分は少なくとも書いてあるところよりも表情のない演奏をするという事なのかなど・・・。





 どう考えてもそんなわけはなく、そうするとエスプレッシーヴォは何なのかという疑問が残ってしまいます。表情を持つという事がどのような演奏になるのかを考えてみると、割と簡単に結論は出ます。





 エスプレッシーヴォの演奏のパターンを考えてみます。ヴィブラートを今までより強くかけます。少し音を引き伸ばします。テンポを大きく揺らします。ポルタメントを増やします。リズムを誇張します。ほんの一例を挙げてみました。色々考えられますが、結局音楽的なバランスを壊す要因が並びました。とりわけテンポやリズムは壊されていきます。演劇で感情が強く表現されるシーンでは役者は絶叫します。しかし過度にそれのみになってしまうと、声は汚くなり、さらに行くと何をしゃべっているのか聞き取れなくなってしまいます。つまりもうそれは演劇ではなくなってしまうということになります。
 多少音楽が壊れても表情を優先することがエスプレッシーヴォなので、多用されてしまうともはや音楽ではなくなってしまいます。演奏には表情を持つことがとても大切なのに、それが過ぎてしまうと音楽を壊してしまう事になります。





 エスプレッシーヴォの表記には関係ないのですが、数年前オランダに行った時にコンセルトヘボウ管弦楽団のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いてきました。オケもソリストも危ういバランスで絶妙な素晴らしい演奏でした。もちろん安定した演奏をすることも簡単にできるでしょうし、その方がもっと楽なのでしょうが、微妙な揺れがオケとソリストで共有できており、何度も聴いている曲ですが初めて聴くような新鮮さでした。
 

  

 正しいテンポで(in tempo)という記号はありますが、正しい音程でという記号はありません。テンポを崩すことは表現につながりますが、音程は定まるまでの時間をポルタメント等でずらしたとしても、正しい音程以外はないという事なのでしょう。最後の音をヴィブラートを増やしながら少しずつ実際の音程よりも高くしていく演奏には、違和感を感じてしまいます。
 楽語の通りに演奏しなさいという意見には反対なのですが、楽語を読み解いていくと新しい発見があることがあります。

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