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情報の多すぎる楽譜(からたちの花)

 楽譜への書き込みが多すぎないようにという話を何度か書きましたが、元々楽譜の情報の多すぎる例として、山田耕筰の「からたちの花」を見てみます。楽譜をお持ちの方は是非楽譜を見ながら確認してみてください。





 まず最初にAndante tranquillamenteとあります。これは必要です。静かでありながら動きのある音楽のイメージが出来ます。Andanteが無ければ、とても遅い設定をしてしまうこともあるかもしれません。歌のsempre sotto voceやピアノのdelicatissimoも静かな繊細な音楽を一貫して表現されています。また、ピアニッシモも問題ありませんが、表情記号に関してはこの後8小節は何も必要ありません。(フレーズ記号のスラーは必要です)





 2小節目にかけてのクレッシェンドは音が上がりますので何もなくても自然にクレッシェンドします。書いてあると意図的な表現になってしまいます。次の短いデクレッシェンドは、ピアノのフレーズがそこで一度収まっているので、歌も一度収めるべきで、必要ないです。次のピアノからのデクレッシェンドもフレーズの終わりですので、書く必要の無い記号です。「しろい」が2度繰り返されるところでは1回目メッツォスタッカート2回目はレガートになっています。同じ言葉が2回出てきますので、何か変化を加えるのは当然のことですが、音符を見ると2回目が強調されていることが分かります。これをどのように表現するのかは演奏家に任せてもいいのではないかと思います。書いてあると、どうしてもそうしなければならないような気がしていまいます。その後はさらに問題で、ピアニッシモからクレッシェンドして「が」の部分がピークでメゾフォルテ(この曲の初めてのフォルテ系の記号です)と書いてあります。「な」の長い音はこの曲の最高音です。ピアノの上行形に合わせてクレッシェンドされるべきですが、「が」の前では小さくなり少しフレーズが分かれていかないとピアノのフレージングとずれが出てしまいます。「さいたよ」のテヌートもフレーズが終わるように聞こえることが必要で、テヌート限定にする必要はありません。長くなってしまいますのでこの辺までにします。また書き込みが多すぎることと作品の善し悪しは別です。演奏は難しいですが、とてもいい曲だと思います。

 

  

 これはまだクラッシック音楽の演奏の歴史が浅い頃の楽譜で、細かい指示がなければ演奏できないだろうと思われてのことだと思われます。しかしどうも演奏を不自由にしてしまいます。どうしても必要なもの以外を一度無視して、新しく音楽を作り直してもいいのではないかと思います。

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